tag:blogger.com,1999:blog-66083575271488251152024-03-13T13:16:23.910+09:00鉄 塊kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.comBlogger156125tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-80922821156016305322023-04-30T22:38:00.006+09:002023-04-30T22:39:01.182+09:00第11回 VT句会<p><br /> <b>◇集計結果</b><br /><br />(5点)あたたかくおじさんになっている(雪兎) ◎◎◎●<br />(3点)誰かを抱いたような春眠が終わる(古戸信) ◎○<br />(3点)葉桜がささやく待ち合わせまで二分(タケウマ) ○○○(2点)歩数計に0と表示され桜はおしまい(一音) ◎○● complete!<br />(2点)高き格子窓より一片の櫻花(タケウマ) ○○<br />(2点)新作のプリンだってさ朧月(一音) ○○<br />(1点)子らも跳ねる葉桜(古戸信) ○<br />(1点)蝶うかれとる春霞(錆助) ○<br />(-1点)藤の花揺れている猫は欠伸している(錆助) ●<br />(-2点)チェ・ゲバラの柄ごと揉んでいる(雪兎) ●●<br /><br /> 以上、10句。<br /> ※特選◎(2点)、並選 ○(1点)、逆選 ●(-1点)として集計。<br /><br /> <b>◇投句</b><br /> <br />【古戸信】<br />誰かを抱いたような春眠が終わる<br />子らも跳ねる葉桜<br /><br />【藤井雪兎】<br />チェ・ゲバラの柄ごと揉んでいる<br />あたたかくおじさんになっている<br /><br />【吉村一音】<br />歩数計に0と表示され桜はおしまい<br />新作のプリンだってさ朧月<br /><br />【タケウマ】<br />高き格子窓より一片の櫻花<br />葉桜がささやく待ち合わせまで二分<br /><br />【矢野錆助】<br />藤の花揺れている猫は欠伸している<br />蝶うかれとる春霞<br /><br />以上、5名。<br />※投句順。<br /> <br />◇<b>コメント</b><br /><br />(5点)あたたかくおじさんになっている(雪兎)<br />◎否定したい。(古戸信)<br />◎おじさんも悪くない(タケウマ)<br />◎春が来てあたたかくなるように、おじさんになることに抗わない。抗わないことがすでにおじさんになった証拠かもしれない。(一音)<br />●「おじさん」に笑えた。若くも無く、老いという程でも無いが、「おじさん」になるにも、やはり時の流れは必要なのだ。非常に現代っぽさも感じられて、良い意味で逆選句に相応しい。何なら、今回の句群で最も好き句かもしれない。(錆助)<br />▼この間プチ花見をしていたら浮かんだ句です。今までの悲しみを全部抱きしめながら生きていきたいです。(雪兎)<br />△条件反射で「否定したい」と書きましたが、実際には共に生きることもやぶさかではありません。老いもまた捨てきれない荷物の重さまえうしろ。(古戸信)<br /><br />(3点)誰かを抱いたような春眠が終わる(古戸信)<br />◎春の日のうたた寝の心地良さ、気怠さを実に上手く表現しているオリジナリティのある比喩に脱帽。(錆助)<br />○誰?(タケウマ)<br />△誰かに抱かれたような春眠なら何度も経験してますが、この句のようなのはないですね。嗜好の問題でしょうか。(雪兎)<br />△気だるくも心地よい、けれどどこかにかすかな罪悪感もある眠り。「終わる」がひっかかった。(一音)<br />▼誰かわからないままの全体としてもわんとした夢でした。夢でした。(古戸信)<br />△△夢精で目覚めたのかと(タケウマ)<br />▼▼違うのです。もっとこう、アンニュイな、純愛な、そういう何かですきっと。(古戸信)<br /><br />(3点)葉桜がささやく待ち合わせまで二分(タケウマ)<br />○葉桜の頃の空気は一年で一番清浄なので、いい顔で誰かに会えそうですね。(雪兎)<br />○わくわくそわそわした気持ちが葉擦れの音に重なる。待っている二分は長いが、今まさにその場所へ急いでいる二分は短い。(一音)<br />○「二分」と云う微妙な時間のチョイスが良い。(錆助)<br />△時計をこまめにチェックしている様子がいい。(古戸信)<br />▼つまらない(タケウマ)<br />▼▼待ち合わせをなにか違うものにしたかった(タケウマ)<br /><br />(2点)歩数計に0と表示され桜はおしまい(一音)<br />◎桜が散ってしまっても人の営みは続きます。あと何歩歩けば来年の桜に辿り着けるのでしょうか。(雪兎)<br />○「0」は無でもあるが、始まりでもある。葉桜へと移り変わる時間の流れを感じさせられて面白かった。(錆助)<br />●歩数計を使ったことがないためか、よくわからなかった。リセットボタンを押したということだろうか。(古戸信)<br />△?(タケウマ)<br /><br />(2点)高き格子窓より一片の櫻花(タケウマ)<br />○「高き格子窓」が牢獄を連想させます。この句の嬉しさや悲しさは体験しなければわからないでしょう。といってしたくはありませんけど…。(雪兎)<br />○刑務所の窓と読んだ。サスペンスドラマのラストのよう。罪を償っていつか晴れて満開の桜を見てください。(一音)<br />△格子窓がつくる影が結構好きです。(古戸信)<br />△秀句であるが、もう一つ隠し味が欲しい感じ。(錆助)<br />▼「高き」はなくていい(タケウマ)<br /><br />(2点)新作のプリンだってさ朧月(一音)<br />○朧月もプリンも動くが雰囲気がいい。(古戸信)<br />○「だってさ」に◯ (タケウマ)<br />△朧月って中に何か入ってそうですよね。あのぼんやりとした感じが特に。つつくと何か出てくるかも。(雪兎)<br />△面白い句だが、「プリン」と「月」では、イメージの親和性が高過ぎて、逆に良くない。(錆助)<br /><br />(1点)子らも跳ねる葉桜(古戸信)<br />○葉桜の頃になると夢から覚めたようにすっきりするので、子供たちが跳ねるという表現はぴったりですね。(雪兎)<br />△「も」が効いているかどうか(タケウマ)<br />△葉桜と跳ねる子供の取り合わせがちょっとしっくりこなかった。(一音)<br />△軽やかで爽やかな句だが、まとまり過ぎて小粒感は否めない。(錆助)<br />▼子らが跳ねて遊んでいたのですが、あんなに跳ねて腰を痛めないのか、不安に思ったものでした。(古戸信)<br /><br />(1点)蝶うかれとる春霞(錆助)<br />○幻想的な景です。(古戸信)<br />△大福とか食べながらずっとこの句の光景の中にいたいです。年を重ねる度にそう思います。(雪兎)<br />△春ですね(タケウマ)<br />△頭が少しぼんやりするような春のあたたかさ。蝶ほどうかれる気分ではない。(一音)<br /><br />(-1点)藤の花揺れている猫は欠伸している(錆助)<br />●好きな光景ではあるのですが句としては少し平凡かもしれません。(雪兎)<br />△藤の花と猫はよく合う組み合わせのように感じました。(古戸信)<br />△春ですね(タケウマ)<br />△藤棚の下に猫と並んでのんびり座っている。リズムがよい。(一音)<br /><br />(-2点)チェ・ゲバラの柄ごと揉んでいる(雪兎)<br />●あざとい(タケウマ)<br />●一読して「ヤダ〜」と思ってしまった。いろいろな読み方をしていいのかもしれないけど、まあ、そういうことですよね。(一音)<br />△揉まないといけないチェ・ゲバラの柄は何なのか。(古戸信)<br />△揉んでいるのは何?個人的にはバレ句として読んだのだが、他の人達の解釈を聞きたい。(錆助)<br />△△最初は特選だった。ゲバラTシャツの娘もいまはおばさんと思い逆選に(タケウマ)<br />▼「チェ・ゲバラの柄」とはチェ・ゲバラの顔がプリントされたTシャツの柄のことです。そのシャツにはレディース用のもあるのでそれを踏まえてこの句を作りました。もしくは彼氏のシャツとも考えられますね。(雪兎)</p><p><br /></p><p><br /></p>鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-19414633065937582632020-08-09T19:16:00.002+09:002020-08-09T19:23:35.993+09:00第十回 VT句会<br />
<b>◇集計結果</b><br />
<br />
(10点)冷蔵庫のなかみと目が合う(以太) ◎◎○○○○○○△△△ <br />
the most single circles!<br />
(7点)江ノ電ゆっくり夕立から夕立 (タケウマ) ◎◎◎○○●△△△△△△ <br />
complete! & the most double circles! & the most comments!<br />
(5点)ゴミ箱へねじこまれた夕刊へ月光(以太) ○○○○○△△△△△△<br />
(5点)絵日記の顔ぢゆう黒子夏の雨(なな) ◎○○○△△△<br />
(5点)忘れたい人の昼顔に火をつける (こう) ◎◎○○●△△△△△ complete!<br />
(4点)くすぶる日を傘にまで花のある (由紀) ◎◎△△△△<br />
(4点)スパコンの動きつづける終戦日 (雪兎) ◎◎△△△△△<br />
(4点)こんなにかなしく死んだ女が幽霊にされている (働猫) ◎○○○●△△△△△ <br />
complete!<br />
(3点)文字読めぬ祖母の手を払った夏祭りへの道(あるけ) ◎○△△△△△△<br />
(3点)逢えば小さく笑う父夏の温度が低い (こう) ◎○○●△△△△ complete!<br />
(3点)シャワー止めたら屋根ごと雨に包まれる(玉虫) ○○○△△△△△<br />
(2点)今日も夕餉の匂いを帰る(古戸信) ○○△△△△△△△<br />
(2点)死して尚生きる理由となる金魚(一音) ○○△△△△△△<br />
(2点)溺れる夢が覚めない(古戸信) ○○ △△△△△△△<br />
(2点)生まれ変わってまたきみの隣室で暮らす(あるけ) ○○△△△△△△<br />
(2点)どんどん膨れていく夫にちょいと針刺してみる(タケウマ) ○○ △△△△△△<br />
(1点)翼竜と自画自賛する明け方(とつき) ○△△△△△<br />
(1点)永遠に終わらぬ梅雨の裏の木戸(静恵) ○△△△△△△△<br />
(1点)溶いていない卵黄を蘇鉄に塗る、裸足、裸足(なな) ○○●△△△△△<br />
(0点)かすめてゆくほどにツバメの運(造林鎌) △△△△△△△△<br />
(0点)ミズミチテナムアミダブツ (錆助) △△△△△△△<br />
(0点)なんかいやっても振り出しに戻る(とつき) △△△△△△<br />
(0点)夜とろうそくとあわれはすぐに消せるから(静恵) △△△△△△△<br />
(0点)戻らない男たちの中指愛でている(一音) ○●△△△△△△△ <br />
(0点)きのうの夢の家が出棺 (由紀) △△△△△△△△△ the most triangles!<br />
(0点)孤独死のぶらさがってる九相図 (玉虫) ○●△△△△△△△<br />
(-1点)大学生と付き合ってるクラスメイトのほほえみ(雪兎) ○●●△△△△△△△<br />
(-1点)地に溢れ泥濘の七色にてらりてらり (錆助) ●△△△△△△<br />
(-2点)もののけもののけミニマリストをみなごろす(働猫) ●●△△△△△<br />
(-3点)ワイパーの待合室(造林鎌) ●●●△△△△ the most black circles!<br />
<br />
以上、30句。<br />
※特選◎(2点)、並選 ○(1点)、逆選 ●(-1点)として集計。<br />
※△の数の計算においては、自解コメントを外した。<br />
<br />
<b>◇投句</b><br />
<br />
【ホームセンター造林鎌】<br />
かすめてゆくほどにツバメの運<br />
ワイパーの待合室<br />
<br />
【石原とつき】<br />
翼竜と自画自賛する明け方<br />
なんかいやっても振り出しに戻る<br />
<br />
【笛地静恵】<br />
永遠に終わらぬ梅雨の裏の木戸<br />
夜とろうそくとあわれはすぐに消せるから<br />
<br />
【藤井雪兎】<br />
大学生と付き合ってるクラスメイトのほほえみ<br />
スパコンの動きつづける終戦日<br />
<br />
【尾内以太】<br />
ゴミ箱へねじこまれた夕刊へ月光<br />
冷蔵庫のなかみと目が合う<br />
<br />
【古戸信】<br />
今日も夕餉の匂いを帰る<br />
溺れる夢が覚めない<br />
<br />
【谷あるけ】<br />
文字読めぬ祖母の手を払った夏祭りへの道<br />
生まれ変わってまたきみの隣室で暮らす<br />
<br />
【なかやまなな】<br />
溶いていない卵黄を蘇鉄に塗る、裸足、裸足<br />
絵日記の顔ぢゆう黒子夏の雨<br />
<br />
【畠働猫】<br />
もののけもののけミニマリストをみなごろす<br />
こんなにかなしく死んだ女が幽霊にされている<br />
<br />
【吉村一音】<br />
死して尚生きる理由となる金魚<br />
戻らない男たちの中指愛でている<br />
<br />
【矢野錆助】<br />
ミズミチテナムアミダブツ<br />
地に溢れ泥濘の七色にてらりてらり<br />
<br />
【タケウマ】<br />
江ノ電ゆっくり夕立から夕立<br />
どんどん膨れていく夫にちょいと針刺してみる<br />
<br />
【由紀】<br />
くすぶる日を傘にまで花のある<br />
きのうの夢の家が出棺<br />
<br />
【さいとうこう】<br />
逢えば小さく笑う父夏の温度が低い<br />
忘れたい人の昼顔に火をつける<br />
<br />
【小笠原玉虫】<br />
シャワー止めたら屋根ごと雨に包まれる<br />
孤独死のぶらさがってる九相図<br />
<br />
以上、15名。<br />
※投句順。kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com41tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-75418497906644197742020-07-09T00:35:00.000+09:002020-07-09T19:56:16.592+09:00第九回 VT句会<br />
<b>◇集計結果 </b><br />
<br />
(9点)靴で殴る雨ってたのしい(由紀) ◎◎◎○○○<br />
(9点)花を枯らす男を信じてこの街にいる(あるけ) ◎◎○○○○○<br />
(6点)土砂降りに米を買う(一音) ◎◎○○<br />
(6点)五月闇父の配信始まりぬ (雪兎) ◎◎○○<br />
(5点)コンプラに触れているから月きれい(働猫) ○○○○○<br />
(4点)今日を終える雨の匂い(古戸信) ◎○○ <br />
(4点)憂鬱の衛星としてかたつむり(一音) ◎○○<br />
(4点)バックミラーにうつしてみる裸足(東子) ◎○○○● complete!<br />
(3点)会う人もなくて午後の窓(直治) ○○○<br />
(3点)庭先の枇杷にも猫にも夕陽射す (古戸信) ○○○ <br />
(1点)デモ、はじめて新宿で大声出した(雪兎) ◎●<br />
(1点)おんなの吐息しめり小雨(錆助) ◎●<br />
(1点)「いらっしゃい」の眼が呼んでない(京介) ○<br />
(1点)保存した写真の中にきみが撮った花(あるけ) ○<br />
(1点)助け来ぬ間に泣き止めば夏至(玉虫) ○<br />
(1点)生きている目ではなかった鏡(直治) ○<br />
(1点)春の花朽ちたまま蛙鳴く(錆助) ○<br />
(1点)交響楽鳴り響く西日の四畳半(タケウマ) ○<br />
(1点)タイムマシンに入れるコインがない(京介) ○○●<br />
(0点)生き過ぎた罪あるいて帰る(働猫)<br />
(0点)花合歓や互いに白髪ほめ合うて(東子)<br />
(0点)窓から顔を出す鉄塊衆(造林鎌) ○●<br />
(0点)紫陽花脇で会っており紫陽花のことは言わず (由紀) ○●<br />
(0点)炎帝の目から逃れて暗渠かな(玉虫) ○●<br />
(-1点)人差し指に記憶(タケウマ) ●<br />
(-1点)水着が頭をのせている(以太) ●<br />
(-1点)暴れ両腕の鉄塊員(造林鎌) ●<br />
(ー3点)見えない銃弾がつらぬいたゼリー(以太) ○●●●●<br />
<br />
以上、28句。<br />
※特選◎(2点)、並選 ○(1点)、逆選 ●(-1点)として集計。<br />
<br />
<b>◇投句者 </b><br />
<br />
【直治】<br />
会う人もなくて午後の窓<br />
生きている目ではなかった鏡<br />
<br />
【ホームセンター造林鎌 】<br />
暴れ両腕の鉄塊員<br />
窓から顔を出す鉄塊衆<br />
<br />
【藤井雪兎】<br />
デモ、はじめて新宿で大声出した<br />
五月闇父の配信始まりぬ<br />
<br />
【矢野錆助】<br />
おんなの吐息しめり小雨<br />
春の花朽ちたまま蛙鳴く<br />
<br />
【尾内以太】<br />
見えない銃弾がつらぬいたゼリー<br />
水着が頭をのせている<br />
<br />
【畠働猫】<br />
生き過ぎた罪あるいて帰る<br />
コンプラに触れているから月きれい<br />
<br />
【吉村一音】<br />
土砂降りに米を買う<br />
憂鬱の衛星としてかたつむり<br />
<br />
【タケウマ】<br />
人差し指に記憶<br />
交響楽鳴り響く西日の四畳半<br />
<br />
【古戸信】<br />
今日を終える雨の匂い<br />
庭先の枇杷にも猫にも夕陽射す<br />
<br />
【北大路京介】<br />
「いらっしゃい」の眼が呼んでない<br />
タイムマシンに入れるコインがない<br />
<br />
【谷あるけ】<br />
保存した写真の中にきみが撮った花<br />
花を枯らす男を信じてこの街にいる<br />
<br />
【由紀】<br />
靴で殴る雨ってたのしい<br />
紫陽花脇で会っており紫陽花のことは言わず<br />
<br />
【中川東子】<br />
花合歓や互いに白髪ほめ合うて<br />
バックミラーにうつしてみる裸足<br />
<br />
【小笠原玉虫】<br />
助け来ぬ間に泣き止めば夏至<br />
炎帝の目から逃れて暗渠かな<br />
<br />
以上、14名。<br />
※投句順。 kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com29tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-82732872942981375622020-06-14T20:19:00.002+09:002020-06-14T20:21:02.466+09:00第三十九回 鍛錬句会<br />
※2019年8月開催<br />
<br />
<div>
<b>◇集計結果</b><br />
</div>
(4点)エアコンで冷やしている化石 ハルニコフ <br />
◎かっこいい。手のひらで観察し、なお、あっけにとられているぞ。化石としても、部屋は何度が快適だと思っているのやら?(造林鎌)<br />
○意味はわからない。(koto)<br />
○実家の畳の上で、趣味で集めてる化石をためつすがめつしてるイメージ。大変な月日を越えてきた化石を、エアコンの効いた室内で眺めていることの可笑しさを感じました。(玉虫)<br />
△博物館の景であろうか。見に来ている自分よりも大切にされていることに嫉妬しているのだろう。暑すぎる夏のせいだ。(働猫)<br />
<br />
(4点)犬が吠える夜を叫ぶ koto<br />
◎好き。野獣のように吠えてたんだけど、後に痛みや悲しみを感じて叫びに転じたのかなーと思いました。吠える・叫ぶが似た言葉ですが、動物的な吠えるから人間的な叫ぶに転じるイメージが面白いと思いました。(玉虫)<br />
○よくわからないがハードボイルドでよい。(働猫)<br />
○吠えたい気分だが、年をとると億劫になる。さらに年をとるとどうなってしまうのか?(造林鎌)<br />
△わからない。(ハルニコフ・バンダム)<br />
<br />
(3点)冷えた背に頬の火 働猫<br />
◎火は言い過ぎとは思ったが、実景として想像できた。(koto)<br />
○好き句。バイクや自転車の二人乗りのイメージ。背にもたれかかっている頬が熱いのがよく分かります。この季節に冷えているのは何故なのか。(玉虫)<br />
△頬の火まで言わなくてよいのでは。(ハルニコフ・バンダム)<br />
<br />
(2点)いぬの病知り何処も灼けており 玉虫<br />
○いい句。(ハルニコフ・バンダム)<br />
○致命的な病気であったのだろう。愛する者を失くす予感が世界を焼野原に見せたのか。良句。(働猫)<br />
<br />
(2点)月光をまとういつかこんなふうにふたりは死ぬ 働猫<br />
○既視感がつよい。(koto)<br />
○好き。わたしも直ちに月光をまといたい。(玉虫)<br />
△こんなふうにが必要なのかな。(ハルニコフ・バンダム)<br />
<br />
(1点)夏の山のはげとる koto<br />
○方言句。素で言っていることが重要だ。(造林鎌)<br />
△ただごと写生。(ハルニコフ・バンダム)<br />
△「夏の山」は季語であるが、はげ山に季節感はない。「季語」に対する問題提起か。(働猫)<br />
△写生句ですねーうちの田舎の方にある、赤土の、途中まで削った山がバーンと眼の前に浮かびました。(玉虫)<br />
<br />
(1点)1年365日おつかい 造林鎌<br />
○おつかいは億劫。(ハルニコフ・バンダム)<br />
△スカイリムもfalloutもそんなもんだよね。クエストアイテムが捨てられずに所持重量圧迫するの人生ぽくてよいな。(働猫)<br />
<br />
(1点)葉桜の改札口の笑顔のひとつ koto<br />
○素直な子は好き。(ハルニコフ・バンダム)<br />
△久しぶりの再会であろうか。実に素直な句。(働猫)<br />
<br />
(1点)汗かかぬ波打ち際の空ボトル ハルニコフ<br />
○意味は無いが、なぜかみとれてしまう。海水の水滴が、汚かったり綺麗だったりする。(造林鎌)<br />
△よくわからない。575を組み合わせたAI俳句っぽい。(働猫)<br />
<br />
(1点)炎天のまっすぐねむる犬 ハルニコフ<br />
○寝相がいいのか。(koto)<br />
△日陰に避難させてあげて下さい!!(玉虫)<br />
△夏バテだろうか。前出の病気の犬ならば愛おしさも増しているだろう。(働猫)<br />
<br />
(1点)舌打ちし何もない日盛り 玉虫<br />
○暑いとイライラする。暴動が起こるのはいつも夏。<br />
△「遭難」のPVの椎名林檎の舌打ちはかっこいい。(働猫)<br />
<br />
(0点)十万日を超えてすべてが曖昧となる熱帯夜 働猫<br />
△思わず調べてしまった、大体273年位?10万日という日々の長さを選んだ意味が知りたい。(玉虫)<br />
△十万日がわからなかった。曖昧となる熱帯夜は良いです。(ハルニコフ・バンダム)<br />
<br />
(-1点)色の中にある本当の色 造林鎌<br />
●何を言っているかわからなかった。また、「色」はいかようにも動く。想いの中にある本当の想い、愛の中にある本当の愛。(koto)<br />
△ワオ……ゼン……。(働猫)<br />
△伝えたいことはわからないでもない。そんなこともないか。(ハルニコフ・バンダム)<br />
<br />
(-2点)磨くという動作から龍を得る 造林鎌<br />
●ちょっとだけ、ちょっとだけ、狙いすぎのようなイメージ! 言いたいことは分かります。(玉虫)<br />
●龍を得ることはない。空想すぎる。(ハルニコフ・バンダム)<br />
△ベストキッドぽいね。ワックスかける。ワックスとる。(働猫)<br />
<br />
(-2点)木曜果てしなく終わりとおくひどくひどく朝飯が不味い 玉虫<br />
●あまりに冗長。混乱を表現しているのか、何も伝えるつもりがないのか。(働猫)<br />
●長文を期待して読むが、あまり、うれしくなかった内容の為。(造林鎌)<br />
△働いてると木曜日が嫌いになる(ハルニコフ・バンダム)<br />
<div>
<br /></div>
<div>
以上、15句。</div>
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。 <br />
<div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>◇投句者</b></div>
<br />
【koto】<br />
夏の山のはげとる<br />
葉桜の改札口の笑顔のひとつ<br />
犬が吠える夜を叫ぶ<br />
<br />
【造林鎌】<br />
磨くという動作から龍を得る<br />
1年365日おつかい<br />
色の中にある本当の色<br />
<br />
【働猫】<br />
十万日を超えてすべてが曖昧となる熱帯夜<br />
冷えた背に頬の火<br />
月光をまとういつかこんなふうにふたりは死ぬ<br />
<br />
【ハルニコフ】<br />
汗かかぬ波打ち際の空ボトル<br />
エアコンで冷やしている化石 <br />
炎天のまっすぐねむる犬<br />
<br />
【玉虫】<br />
いぬの病知り何処も灼けており <br />
木曜果てしなく終わりとおくひどくひどく朝飯が不味い <br />
舌打ちし何もない日盛り</div>
kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-13189559675497453682019-04-26T13:53:00.000+09:002019-04-26T13:53:52.886+09:00第八回 VT句会<br />
<div>
<b>◇集計結果</b>
</div>
<div>
<div style="color: black; font-family: Meiryo,"\0030e1\0030a4\0030ea\0030aa","Hiragino Sans",sans-serif; font-size: 12pt;">
<br /></div>
(6点)おでこに桜の影(こう)
◎◎◎
<br />
(5点)老いてきたいぬの腰にもさくらひとひら(玉虫)
◎〇
〇
〇
<br />
(5点)家賃が走って負けました(maybe)
◎〇
〇
〇
<br />
(4点)ミュージックビデオに見慣れない地元( 前田_獺太郎 )
◎〇
〇 <br />
(3点)献血人数眺めて春休み(由紀) 〇
〇
〇
<br />
(3点)ちんぽこ握りしめて氷河期をやり過ごせ(タケウマ)
◎〇 <br />
(3点)ストリップ小屋で寝ている(北大路京介)
◎〇
〇● complete!<br />
(3点)春の新婦がかわいくない(由紀)
〇
〇
〇
<br />
(2点)箱ごとにこどもさいている(かもせり)
〇
〇
<br />
(2点)踏切とじて桜散る丘(古戸暢)
〇
〇
〇●<br />
(2点)猫と猫と君と寝てる(働猫)
◎〇
〇●● complete!<br />
(1点)鳥交るキラキラした四股名(かもせり) 〇
<br />
(1点)ひらがなの同窓会にカタカナが来た(北大路京介)
〇
<br />
(1点)貝殻欠けた君の声(こう)
◎●
<br />
(1点)胸騒ぎして夜桜の町急ぐ(タケウマ)
〇
<br />
(1点)桜並木で転んでふたり(古戸暢)
〇
<br />
(0点)茶色い夕餉に山椒の花を( 前田_獺太郎 )<br />
(0点)寒のもどりにコークゼロかよ(玉虫)
〇●
<br />
(ー1点)舟券舞う風胸ぶくれ(maybe)
●
<br />
(-2点) 遠くで赤ちゃん泣いてるね雨音寝息夜の軋み不確かな心音(愛ではきっと救えないもの)(働猫)
〇●●●
</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<div>
以上、20句。</div>
<div>
※特選◎(2点)、並選
〇(1点)、逆選
●(-1点)として集計。 </div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>◇投句者(投句順)</b></div>
<div>
<br /></div>
</div>
<div>
【畠働猫】<br />
遠くで赤ちゃん泣いてるね雨音寝息夜の軋み不確かな心音(<wbr></wbr>愛ではきっと救えないもの)<br />
猫と猫と君と寝てる<br />
<br />
【風光maybe】<br />
舟券舞う風胸ぶくれ<br />
家賃が走って負けました<br />
<br />
【本間かもせり】<br />
鳥交るキラキラした四股名<br />
箱ごとにこどもさいている<br />
<br />
【由紀】<br />
献血人数眺めて春休み<br />
春の新婦がかわいくない<br />
<br />
【タケウマ】<br />
ちんぽこ握りしめて氷河期をやり過ごせ<br />
胸騒ぎして夜桜の町急ぐ<br />
<br />
【さいとうこう】<br />
おでこに桜の影<br />
貝殻欠けた君の声<br />
<br />
【小笠原玉虫】<br />
老いてきたいぬの腰にもさくらひとひら<br />
寒のもどりにコークゼロかよ<br />
<br />
【北大路京介】<br />
ひらがなの同窓会にカタカナが来た<br />
ストリップ小屋で寝ている<br />
<br />
【前田_獺太郎】<br />
ミュージックビデオに見慣れない地元<br />
茶色い夕餉に山椒の花を<br />
<br />
【馬場古戸暢】</div>
<div>
踏切とじて桜散る丘</div>
<div>
桜並木で転んでふたり</div>
鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com20tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-8780330986796041392019-03-24T14:37:00.000+09:002019-03-24T16:42:12.935+09:00第三十八回 鍛錬句会<br />
※2019年3月開催<br />
<br />
<div>
<b>◇集計結果</b></div>
<br />
<div>
</div>
<div>
(5点)母のない子がいぬ撫でにくる夕暮れ 玉虫 ◎◎○<br />
(3点)空も海も墓の色している小樽 働猫 ○○○<br />
(3点)春のここでころぶ 由紀 ◎○<br />
(3点)夜の靴下のまっすぐ脱げる 由紀 ◎○○●<br />
(3点)ぬくい子抱き寄せて春を待っている 古戸暢 ◎○</div>
<div>
<br /></div>
<div>
(2点)よそんちのピアノに泣いて日曜が終わってしまう 玉虫 ○○<br />
(2点)誰にも言えないたんぽぽを踏む かもせり ◎<br />
(2点)かつての村の雪とける 働猫 ◎<br />
(2点)私服の君が近道見つけた 雪兎 ○○<br />
(1点)春が来た暁に死期を知る 造林鎌 ○<br />
(1点)演奏前に吸いこむ春風 雪兎 ○○●<br />
(1点)じいちゃんの匂いの枕と寝付けぬ 古戸暢 ○<br />
(1点)ウグイスはなぞなぞ 造林鎌 ○<br />
(1点)はるにちいさくうまれた 雪兎 ○○●</div>
<div>
(1点)ウグイスが鳴いた時、生まれ変わる 造林鎌 ○ </div>
<div>
(1点)ゆっくりと流れる川底の怒り かもせり ○<br />
(0点)立ち話まだおわらない飛行機雲 かもせり ○●<br />
(0点)傘すり抜け春ふれてくれる 由紀<br />
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
<br />
(0点)黒々と雨横たわり富士の麓(ろく)まで 玉虫 △△<br />
(ー1点)汗ばむ君の寝相に起きる 古戸暢 ● <br />
(ー1点)人類の罪の袋は黒く被災地だけに積み上がる 働猫 ●</div>
<div>
<br /></div>
<div>
以上、24句。</div>
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。 <br />
<div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>◇投句者(投句順)</b></div>
<div>
<br /></div>
<div>
【造林鎌】</div>
<div>
春が来た暁に死期を知る<br />
ウグイスが鳴いた時、生まれ変わる<br />
ウグイスはなぞなぞ</div>
<div>
<br /></div>
<div>
【本間かもせり】</div>
<div>
立ち話まだおわらない飛行機雲<br />
<br />
<div>
誰にも言えないたんぽぽを踏む</div>
ゆっくりと流れる川底の怒り
</div>
<div>
<br /></div>
<div>
【藤井雪兎】</div>
<div>
はるにちいさくうまれた<br />
私服の君が近道見つけた<br />
演奏前に吸いこむ春風</div>
<div>
<br /></div>
【畠働猫】<br />
かつての村の雪とける<br />
空も海も墓の色している小樽<br />
<div>
人類の罪の袋は黒く被災地だけに積み上がる</div>
<div>
<br /></div>
<div>
【小笠原玉虫】</div>
<div dir="auto">
<div>
母のない子がいぬ撫でにくる夕暮れ<br />
よそんちのピアノに泣いて日曜が終わってしまう<br />
黒々と雨横たわり富士の麓(ろく)まで</div>
<div>
<br /></div>
<div>
【梶原由紀】</div>
<div>
夜の靴下のまっすぐ脱げる<br />
傘すり抜け春ふれてくれる<br />
春のここでころぶ </div>
<div>
<br /></div>
<div>
【】</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
<br />
<div>
<br />
<br />
<br /></div>
</div>
</div>
<div>
【馬場古戸暢】</div>
<div>
汗ばむ君の寝相に起きる</div>
<div>
ぬくい子抱き寄せて春を待っている</div>
<div>
じいちゃんの匂いの枕と寝付けぬ</div>
</div>
kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com24tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-75301314620145856962019-02-21T23:10:00.000+09:002019-03-24T16:42:37.343+09:00第三十七回 鍛錬句会<br />
※2019年2月開催<br />
<br />
<div>
<b>◇集計結果</b></div>
<br />
<div>
<div>
<div>
(7点)
少女抱きしめて放り投げた 古戸暢 ◎◎○○○</div>
<div>
<div>
(6点)
笑いながら鬼の面かぶった 雪兎 ◎◎○○</div>
<div>
<div>
(5点)
火がつくまで月見ている 働猫 ◎○○○</div>
</div>
<div>
<div>
<br /></div>
<div>
(4点)
慰められたい夜が朝にかわりよる 古戸暢 ○○○○<br />
<div>
(2点)いぬにたくさんついてる草の実 玉虫 ◎</div>
<div>
<div>
<div>
</div>
</div>
<div>
(2点)
缶コーヒー傾けて夕陽のまばゆい 風呂山 ◎</div>
<div>
(2点)
月光照らす雪野どこまでも青い 働猫 ○○</div>
</div>
<div>
(1点)
冬とせめぎあう真夜中の重機 働猫 ○</div>
<div>
<div>
<div>
(1点)
意味も無意味もシャボン玉とんだ かもせり ○</div>
<div>
<br /></div>
<div>
(1点)「絶望」と大げさに云う葱を買う 玉虫 ○ </div>
<div>
(1点)
両手で頬を包む日を雪が降っている 古戸暢 ○</div>
</div>
</div>
<div>
<div>
<div>
(0点)
日向でも日陰でもユーミンが聴こえる 雪兎</div>
<div>
(0点)
見るに堪えない春の踏み台 かもせり</div>
<div>
<div>
<br /></div>
<div>
<div>
(0点)役所出てきてお天気雨だ 玉虫</div>
<div>
<div>
(0点)
道を?作るッ!
自由律俳人ホームセンター造林鎌 ○●<br />
<div>
(0点)
うれしくてかなしくて雪のなみだ かもせり </div>
<div>
(0点)
冬の大地が震えている 風呂山 </div>
<div>
(0点)
冬はテムレス冬はテムレス定番です
自由律俳人ホームセンター造林鎌
</div>
<div>
(0点)
ブルゾンちえみの振り向いて立春 雪兎 ◎●●</div>
</div>
<div>
<div>
(-1点)
疲れた体を風が打つ 風呂山 ●</div>
</div>
</div>
</div>
<div>
(-4点)
星見師
自由律俳人ホームセンター造林鎌 ●●●● </div>
<div>
<br /></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div>
以上24句。<br />
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。 </div>
<div>
</div>
<div>
<br />
<div>
<b>◇投句者(投句順)</b></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<div>
【自由律俳人ホームセンター造林鎌】 </div>
<div>
<div>
星見師</div>
<div>
道を?作るッ!</div>
<div>
冬はテムレス冬はテムレス定番です</div>
<div>
<br /></div>
【藤井雪兎】<br />
ブルゾンちえみの振り向いて立春<br />
笑いながら鬼の面かぶった<br />
日向でも日陰でもユーミンが聴こえる</div>
<div>
<br /></div>
<div>
【本間かもせり】</div>
<div>
<div>
見るに堪えない春の踏み台</div>
<div>
うれしくてかなしくて雪のなみだ</div>
<div>
意味も無意味もシャボン玉とんだ</div>
<div>
<br /></div>
【風呂山】<br />
疲れた体を風が打つ<br />
缶コーヒー傾けて夕陽のまばゆい<br />
冬の大地が震えている<br />
<br />
【畠働猫】<br />
火がつくまで月見ている<br />
冬とせめぎあう真夜中の重機<br />
月光照らす雪野どこまでも青い<br />
<br />
【】<br />
<br />
<br />
<br /></div>
</div>
<div>
<div>
<br /></div>
<div>
【小笠原玉虫】</div>
<div>
「絶望」と大げさに云う葱を買う<br />
いぬにたくさんついてる草の実 <br />
役所出てきてお天気雨だ</div>
<div>
<br /></div>
<div>
【馬場古戸暢】</div>
<div>
慰められたい夜が朝にかわりよる</div>
<div>
少女抱きしめて放り投げた</div>
<div>
両手で頬を包む日を雪が降っている</div>
</div>
</div>
<div>
<br /></div>
kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com24tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-61089819104831136442019-02-21T22:56:00.000+09:002019-03-24T16:44:22.895+09:00第三十六回 鍛錬句会<br />
※2018年9月開催 <br />
<br />
<b>◇集計結果</b><br />
<br />
(4点)おんぶしたときもされたときもゆうぐれ ○○○○<br />
<div>
(4点)月に向かってのばした手をつかまれた ◎◎</div>
<div>
(4点)剥き出しの更地の黒に雨突き刺さる ◎○○ </div>
<div>
<div>
<br /></div>
<br />
<div>
(2点)夜を帰る満月赤くなくなった頃 ◎</div>
<div>
(2点)君の子に花火買って帰る ○○</div>
<div>
(2点)いぬの額に秋の香の立つ ◎</div>
<div>
(1点)ヨーイドンの構え、とくと見よ! ○</div>
(1点)風の中なんの声も無く秋 ○<br />
<div>
(1点)世のやさしさに触れて救いはどこにもない ○</div>
<div>
(1点)姉夫婦の後ろで下向いてる妹 ○</div>
<div>
(1点)夜中ふっと秒針動き出さない ○</div>
<div>
(1点)台風と同じ名前でかわいい ○ </div>
<div>
<div>
(1点)半分濡れたいやな雨の日 ○</div>
</div>
<div>
<div>
(0点)新記録出た日の帰り道</div>
<div>
(0点)秋風ばかり空倉庫</div>
<div>
(0点)まっすぐ立ち満員電車待つ小さい兄弟</div>
<div>
(0点)廃屋の庭精霊蜻蛉の群れ</div>
<div>
(0点)夜風ふんわり小腹を撫でた</div>
(0点)食べかけ食べかけでございます ○● </div>
<div>
(0点)被災地の棄民星ばかりきれい</div>
<div>
(0点)丸々と肥えたコオロギ死んどる</div>
<div>
(0点)血の海にいて父母の果て</div>
<div>
<br /></div>
<div>
(0点)この子のお腹のふにふにと眠る</div>
<div>
(0点)胃カメラを撮られてしまってほ乳類</div>
<div>
(0点)すれちがった女の薬指のあいとる ○●</div>
(0点)公衆便所に虫の声</div>
<div>
<div>
(0点)追加注文、追加注文、多いよお</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<div>
(0点)冷房強くしてなにもかなしいことはない</div>
<div>
<div>
(0点)尿水銃 ○○●●</div>
<div>
(0点)コインランドリーから満月を眺める</div>
<div>
<div>
(0点)出すの忘れて皺よってく絵葉書</div>
<div>
(0点)水をいれる体の朝が遠い</div>
<div>
(0点)ねずみの駆ける屋根のもと寝る</div>
<div>
(0点)ドーナツの穴の中にもいない</div>
</div>
</div>
</div>
<div>
(-1点)一日あかり点けさびしい本を読む</div>
<br />
<div>
<br /></div>
</div>
以上40句。<br />
<div>
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。<br />
<b><br /></b>
<b>◇投句者(投句順)</b></div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
</div>
<div>
<div>
</div>
<div>
<br />
【畠働猫】</div>
<div>
君の子に花火買って帰る</div>
<div>
血の海にいて父母の果て</div>
<div>
世のやさしさに触れて救いはどこにもない</div>
<div>
台風と同じ名前でかわいい</div>
<div>
被災地の棄民星ばかりきれい</div>
<br />
【藤井雪兎】<br />
ドーナツの穴の中にもいない<br />
月に向かってのばした手をつかまれた<br />
新記録出た日の帰り道<br />
姉夫婦の後ろで下向いてる妹<br />
おんぶしたときもされたときもゆうぐれ<br />
<br />
【小笠原玉虫】<br />
剥き出しの更地の黒に雨突き刺さる<br />
ねずみの駆ける屋根のもと寝る<br />
いぬの額に秋の香の立つ<br />
出すの忘れて皺よってく絵葉書<br />
半分濡れたいやな雨の日<br />
<div>
<br /></div>
<div>
【天坂寝覚】</div>
<div>
夜中ふっと秒針動き出さない</div>
<div>
冷房強くしてなにもかなしいことはない</div>
<div>
一日あかり点けさびしい本を読む</div>
<div>
まっすぐ立ち満員電車待つ小さい兄弟</div>
<div>
風の中なんの声も無く秋</div>
<br />
【馬場古戸暢】<br />
夜を帰る満月赤くなくなった頃<br />
水をいれる体の朝が遠い<br />
すれちがった女の薬指のあいとる<br />
夜風ふんわり小腹を撫でた<br />
この子のお腹のふにふにと眠る <br />
<br />
【中筋祖啓】<br />
ヨーイドンの構え、とくと見よ!<br />
追加注文、追加注文、多いよお<br />
尿水銃<br />
食べかけ食べかけでございます<br />
胃カメラを撮られてしまってほ乳類<br />
<br />
【矢野錆助】<br />
廃屋の庭精霊蜻蛉の群れ<br />
秋風ばかり空倉庫<br />
公衆便所に虫の声<br />
丸々と肥えたコオロギ死んどる<br />
コインランドリーから満月を眺める<br />
<br />
【】</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<br /></div>
kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com40tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-71585982817986676932015-06-27T01:30:00.001+09:002015-06-27T01:30:57.312+09:00活動休止のお知らせ皆さま<br />
<br />
2015年6月をもちまして、諸般の事情により、鉄塊はその活動を休止することとしました。<br />
これまで、閲覧してくださいまして、誠にありがとうございました。<br />
活動を再開することがあるかどうかわかりませんが、このブログはこのまま残り続けます。<br />
<br />
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。<br />
<br />
鉄塊衆一同鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-12165766886976354722015-06-27T01:18:00.000+09:002015-06-27T10:35:01.636+09:00第三十五回 鍛錬句会<br />
<b>◇互選集計</b><br />
<br />
(1点)泣いている人とおんなじ夕焼けでいる ◎●<br />
(1点)諍いのあと雨は静かに薔薇を濡らす ○<br />
(1点)網膜焼いて飛ぶ鳥の行方 ○<br />
(1点)そういや髪の毛一本落としてかなかったあの娘 ○<br />
(1点)贅肉つまむ子抱き上げる白昼 ○<br />
(1点)正しい夏の灯にかぶとむし ○<br />
(0点)メメクラゲの空涎臭い街<br />
(0点)だけどゴミ漁らなければあめのひるどき<br />
(0点)住宅街にネオン・ノイズが鳴り出した<br />
(0点)カフェの女の指輪に気付いた<br />
(0点)ゴキブリ一匹居間を飛んだ<br />
(0点)深夜の不意に全裸だ<br />
(0点)洗濯機壊れた夜にこけた<br />
(-1点)暑かった寒かった窓の無い部屋で外の話 ●<br />
(-1点)細腕や青春は自殺した ●<br />
<div>
<br />
以上15句。<br />
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。<br />
<b><br /></b>
<b>◇作者発表</b><br />
<br />
【武里圭一】<br />
<br />
メメクラゲの空涎臭い街<br />
住宅街にネオン・ノイズが鳴り出した<br />
細腕や青春は自殺した<br />
そういや髪の毛一本落としてかなかったあの娘<br />
だけどゴミ漁らなければあめのひるどき<br />
<br />
【畠働猫】<br />
<br />
諍いのあと雨は静かに薔薇を濡らす<br />
泣いている人とおんなじ夕焼けでいる<br />
正しい夏の灯にかぶとむし<br />
網膜焼いて飛ぶ鳥の行方<br />
暑かった寒かった窓の無い部屋で外の話<br />
<br />
【馬場古戸暢】<br />
<br />
深夜の不意に全裸だ<br />
洗濯機壊れた夜にこけた<br />
カフェの女の指輪に気付いた<br />
贅肉つまむ子抱き上げる白昼<br />
ゴキブリ一匹居間を飛んだ</div>
<div>
<br /></div>
鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com15tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-25206989776899763552015-06-27T01:06:00.003+09:002015-06-27T01:09:39.204+09:00第三十四回 鍛錬句会<br />
<b>◇最高得点句</b><br />
<br />
夕焼け仏陀桜は散った 働猫<br />
<br />
降る春の小さい手でつかまえた 温<br />
<br />
<b>◇互選集計</b><br />
<br />
(3点)夕焼け仏陀桜は散った ◎○<br />
(3点)降る春の小さい手でつかまえた ◎○<br />
(2点)春眠汗ばむ子の声 ○○<br />
(2点)桃の花照る下のわが子 ○○<br />
(1点)黒髪に月がかかる ○<br />
(1点)花病んで月射す ○<br />
(1点)子らが海を指差す橋だ ○<br />
(0点)酔えないまま日が射してきた<br />
(0点)春踏み潰した靴を脱ぐ<br />
(0点)浮気バレてそろそろ夏がくるらしい<br />
(0点)正しいと信じて生きて五月闇<br />
(0点)冷めた蛍光灯に稚児のような咳繰り返す<br />
(0点)責られて顔の陰影<br />
(0点)三度目の桜散り過去はどうして赦してくれない<br />
(0点)後悔するっきゃない放浪の夢<br />
(0点)春のトランクいっぱいの闇<br />
(-1点)夢の君が振り向く夢か ●<br />
(-1点)地平の月の大きさをふたり ●<br />
(-1点)何の残渣か肉の冷え ●<br />
<br />
以上19句。<br />
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。<br />
<br />
<b>◇作者発表</b><br />
<br />
【畠働猫】<br />
<div>
<br />
夕焼け仏陀桜は散った<br />
春踏み潰した靴を脱ぐ<br />
正しいと信じて生きて五月闇<br />
花病んで月射す<br />
春のトランクいっぱいの闇<br />
<br />
【武里圭一】<br />
<br />
酔えないまま日が射してきた<br />
冷めた蛍光灯に稚児のような咳繰り返す<br />
責られて顔の陰影<br />
何の残渣か肉の冷え<br />
後悔するっきゃない放浪の夢<br />
<br />
【小澤温】<br />
<br />
降る春の小さい手でつかまえた<br />
桃の花照る下のわが子<br />
黒髪に月がかかる<br />
浮気バレてそろそろ夏がくるらしい<br />
<br />
【馬場古戸暢】<br />
<br />
夢の君が振り向く夢か<br />
春眠汗ばむ子の声<br />
地平の月の大きさをふたり<br />
三度目の桜散り過去はどうして赦してくれない<br />
子らが海を指差す橋だ</div>
鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com19tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-78305865930317173402015-04-29T16:05:00.000+09:002015-04-29T17:11:56.236+09:00第三十三回 研鑽句会<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif;">
<b>◇最高得点句</b></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif;">
<br />
<span style="font-size: large;">街はおまつりお骨となつて帰られたか</span><span style="font-size: 13.5749435424805px;"> 山頭火</span></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
<br /></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
<b>◇互選集計</b><br />
(4点)街はおまつりお骨となつて帰られたか◎◎<br />
(3点) お骨声なく水のうへをゆく○○○<br />
(2点)月のあかるさはどこを爆撃してゐることか◎○●<br />
(2点)雪へ雪ふる戦ひはこれからだといふ○○<br />
(1点)秋もいよいよふかうなる日の丸へんぽん○<br />
(1点)冬ぽたんほつと勇ましいたよりがあつた○<br />
(1点)その一片はふるさとの土となる秋○<br />
(1点)馬も召されておぢいさんおばあさん○<br />
(1点)ぢつと瞳が瞳に食ひ入る瞳◎●<br />
(1点)足は手は支那に残してふたたび日本に○<br />
(0点) これが最後の日本の御飯を食べてゐる、汗○●<br />
(無点)日ざかりの千人針の一針づつ<br />
(無点)ふたたびは踏むまい土を踏みしめて征く<br />
(無点)しぐれて雲のちぎれてゆく支那をおもふ<br />
(無点)ひつそりとして八ツ手花咲く<br />
(無点)しぐれつつしづかにも六百五十柱<br />
(無点)もくもくとしてしぐるる白い凾をまへに<br />
(無点)山裾あたたかなここにうづめます<br />
(無点)凩の日の丸二つ二人もだしてゐる<br />
(無点)勝たねばならない大地いつせいに芽吹かうとする<br />
(無点)いさましくもかなしくも白い凾<br />
(無点)ぽろぽろしたたる汗がましろな凾に<br />
(無点)みんな出て征く山の青さいよいよ青く<br />
(無点)音は並んで日の丸はたたく<br />
(無点)案山子もがつちり日の丸ふつてゐる</div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
<br /></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif;">
<b>◇作者発表</b><br />
<span style="font-size: 13.5749435424805px;">種田山頭火</span><br />
<span style="font-size: 13.5749435424805px;">『銃後』全句</span></div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/00466160893238065267noreply@blogger.com25tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-41406211360830879322015-04-29T15:59:00.001+09:002015-04-29T15:59:55.221+09:00第三十三回 鍛錬句会<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
<b>◇最高得点句</b></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif;">
<div style="font-size: 13.5749435424805px;">
<br /></div>
<span style="font-size: large;">南無観世音、月の楕円(小澤温)</span></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif;">
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">花影を歩き続けている(畠働猫)</span></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif;">
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">冬あけても膝抱いている(武里圭一)</span></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
<br /></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
<b>◇互選集計</b><br />
(2点)南無観世音、月の楕円◎<br />
(2点)花影を歩き続けている◎<br />
(2点)冬あけても膝抱いている○○<br />
(1点)春雨に濡れてもつれているふたり○<br />
(1点)この道も胸に穴あける道○<br />
(1点)猫とボインが着地する暁○<br />
(1点)博奕打妻子の顔と春の海○<br />
(1点)女の指の長さに春日○<br />
(1点) 赦されたい夜の薬切れとる○<br />
(無点)あてどなく春の風に吹かれ大阪城<br />
(無点)過ぎ去りし十代は血の味のして<br />
(無点) 四月の風吹け我葉桜を待つ<br />
(無点)黒光りする水にも桜の色が襲う<br />
(無点)般若心経の一人酒<br />
(無点) 濡れた夜も深まる<br />
(-1点)酒飲む体に薬いれとく●<br />
(-1点)桜の根元のお母さんを呼ぶ●<br />
(-2点)凍えてしまう(ハルハクル?)空が白む●●</div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
以上18句。</div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。<br />
<br /></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
<b>◇作者発表</b><br />
<b><br /></b></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
【小澤温】<br />
南無観世音、月の楕円 <br />
般若心経の一人酒 <br />
博奕打妻子の顔と春の海<br />
<br /></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
【武里圭一】<br />
この道も胸に穴あける道<br />
あてどなく春の風に吹かれ大阪城<br />
四月の風吹け我葉桜を待つ<br />
黒光りする水にも桜の色が襲う<br />
冬あけても膝抱いている<br />
<br /></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
【畠働猫】<br />
花影を歩き続けている<br />
猫とボインが着地する暁<br />
凍えてしまう(ハルハクル?)空が白む<br />
春雨に濡れてもつれているふたり<br />
過ぎ去りし十代は血の味のして<br />
<br /></div>
<div dir="ltr" style="font-family: sans-serif; font-size: 13.5749435424805px;">
【馬場古戸暢】<br />
赦されたい夜の薬切れとる<br />
桜の根元のお母さんを呼ぶ<br />
女の指の長さに春日<br />
濡れた夜も深まる<br />
酒飲む体に薬いれとく</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/00466160893238065267noreply@blogger.com18tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-13401694746529863502015-03-28T23:19:00.002+09:002015-03-29T00:30:19.423+09:00第三十二回 鍛錬句会<h4>
◇最高得点句</h4>
<br />
<span style="font-size: large;">いちぬけて青い空 畠働猫</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">夕暮れ迫る部屋に親指の爪 馬場古戸暢</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">夜猫がそっと触れてくる花びら 畠働猫</span><br />
<br />
<br />
<h4>
◇互選集計</h4>
<br />
(2点)いちぬけて青い空 ○○<br />
(2点)夕暮れ迫る部屋に親指の爪 ○○<br />
(2点)夜猫がそっと触れてくる花びら ○○<br />
(1点)ハルハクルハルハクルクルユルシテドウカハルハクル ◎●<br />
(1点)喜びと悲しみと春の水門の開け流る ○<br />
(1点)男の霊は右に憑く南無降三世尊明王 ○<br />
(1点)パンを喰らう寝入る ○<br />
(1点)塗りたくる絵の穴があいている ○<br />
(1点)薬ふやして平日押し流している ○<br />
(-1点)ボードレールだ! こんな夜には ●<br />
(-1点)ためいきできえたマッチ ●<br />
(-1点)凝っと見ていた海にloversに笛 ●<br />
(-2点)どこにもいないわたしはわたしだけでわたしとなってここにおることにはおる ●●<br />
(-2点)冴え返る夕陽が垂れてきた ●●<br />
(無点)春爛漫糞で滑った痕がある<br />
(無点)メガネ拭く背中にハロゲンヒーター<br />
(無点)みんなが癒えたあとで転んだ<br />
(無点)虹色の首のドバトの不衛生<br />
(無点)内へ収束する蒲団<br />
(無点)マァリアマァリア黒いマァリア空爆が始まる<br />
(無点)袖を引っ張る女に傾く<br />
(無点)接吻を待つまっすぐ月へのびるくびすじ<br />
(無点)上弦の月へ猫背を伸ばします<br />
<br />
<br />
<br />
以上23句。<br />
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。<br />
<br />
<br />
<br />
<h4>
◇作者発表 ※50音順</h4>
<br />
【小笠原玉虫】<br />
春爛漫糞で滑った痕がある<br />
みんなが癒えたあとで転んだ<br />
薬ふやして平日押し流している<br />
虹色の首のドバトの不衛生<br />
男の霊は右に憑く南無降三世尊明王<br />
<br />
【小澤温】<br />
喜びと悲しみと春の水門の開け流る<br />
冴え返る夕陽が垂れてきた<br />
塗りたくる絵の穴があいている<br />
<br />
【武里圭一】<br />
どこにもいないわたしはわたしだけでわたしとなってここにおることにはおる<br />
内へ収束する蒲団<br />
ボードレールだ! こんな夜には<br />
ためいきできえたマッチ<br />
凝っと見ていた海にloversに笛<br />
<br />
【畠働猫】<br />
マァリアマァリア黒いマァリア空爆が始まる<br />
いちぬけて青い空<br />
接吻を待つまっすぐ月へのびるくびすじ<br />
夜猫がそっと触れてくる花びら<br />
ハルハクルハルハクルクルユルシテドウカハルハクル<br />
<br />
【馬場古戸暢】<br />
メガネ拭く背中にハロゲンヒーター<br />
夕暮れ迫る部屋に親指の爪<br />
パンを喰らう寝入る<br />
袖を引っ張る女に傾く<br />
上弦の月へ猫背を伸ばします玉虫http://www.blogger.com/profile/07893931940400507495noreply@blogger.com23tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-89881147118605261562015-02-25T21:06:00.002+09:002015-02-25T21:06:54.313+09:00第三十一回 研鑽句会◇最高得点句<br />
<br />
元日を初雪降るや二三寸 放哉<br />
張替へて障子閉づれば鵙が鳴く 放哉<br />
いぬころの道忘れたる冬田かな 放哉<br />
<br />
◇互選集計<br />
<br />
(3点)元日を初雪降るや二三寸 ◎○<br />
(3点)張替へて障子閉づれば鵙が鳴く ◎○<br />
(3点)いぬころの道忘れたる冬田かな ◎○<br />
(2点)峠路や時雨はれたる馬の声 ○○<br />
(2点)開墾地種播く人に晴れにけり ○○<br />
(2点)光琳の偽筆に炭がはねる也 ○○<br />
(1点)朝霧に戸あくる音や芙蓉園 ○<br />
(1点)森の雪河原の雪や冬の月 ○<br />
(1点)冬ざれに黄な土吐けり古戦場 ○<br />
(1点)春浅き恋もあるべし籠り堂 ◎●<br />
(0点)雨はれてげんげ咲く野の夕日かな<br />
(0点)しぐるゝや残菊白き傘の下<br />
(0点)雨晴れてまた夕日すや鯔の飛ぶ<br />
(0点)申し置いて門を出れば時雨哉<br />
(0点)鯛味噌に松山時雨きく夜かな<br />
(0点)茶の花や庵さざめかす寒雀<br />
(0点)井田の並木も霜の旦かな<br />
(0点)煮凝や彷彿として物の味<br />
(0点)泥沼の泥魚今宵孕むらむ<br />
(0点)物種の百種に尽きず紙袋<br />
(0点)百舌にあいて行けば餅つく小村哉<br />
(0点)霜ふむで指す方もなき花野哉<br />
(0点)塗骨の扇子冷たき別れかな<br />
(0点)行秋の居座り雲に夜明けけり<br />
(0点)冬されて赤が褪めたるざれ絵哉<br />
(0点)冬されの山畑掘れば芋が出る<br />
(0点)炭やたらはねて晴れける朝の空<br />
(0点)椿咲く島の火山の日和かな<br />
(-1点)初冬の蘇鉄は庭の王者かな ●<br />
(-2点)大江や月急ぎ落つ露の明け ●●<br />
<br />
以上30句。<br />
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。<br />
<br />
◇作者発表<br />
<br />
尾崎放哉<br />
明治35年から40年にかけて発表された句。<br />
出典:尾崎放哉, 村上護ほか編『放哉全集I 句集』筑摩書房, 10-17.鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com30tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-34688943696238647052015-02-25T21:05:00.001+09:002015-02-25T21:05:50.706+09:00第三十一回 鍛錬句会<br />
◇最高得点句<br />
<br />
子の声三つ駆けて行く夕暮れ 古戸暢<br />
<br />
◇互選集計<br />
<br />
(4点)子の声三つ駆けて行く夕暮れ ◎○○<br />
(3点)冬空あおく湯気の向こう ◎○<br />
(2点)遅れてきた訃報にいる ○○<br />
(2点)ミシン目に沿って切り抜いて月光 ◎<br />
(2点)錆びた手すりにふたり ○○<br />
(2点)君をあきらめた部屋の夢見る ◎<br />
(2点)赤子ほのほの乳をあそぶ ○○<br />
(1点)酔う義務感じるコップ酒 ○<br />
(1点)冬の日射しに寝入る遅刻 ○<br />
(1点)冬椿めくりおとして終業す ○<br />
(0点)糸電話手繰れど手繰れど故郷は遠く<br />
(0点)証書捨て一瀉千里に春来る<br />
(0点)いつかくる黒檀の日々<br />
(0点)股引知らない子がヒートテックはいとる<br />
(0点)目をそむけていろ枯木<br />
(0点)失くしたもの思い出す夜が明ける<br />
(0点)頬凍らして歩道橋で煙草吸うなど<br />
(-1点)水面皆月夜 ●<br />
(-1点)はや昔日の先月を羨む ●<br />
(-2点)在ることだけを許した許された ●●<br />
<br />
以上20句。<br />
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。<br />
<br />
◇作者発表<br />
<br />
【小澤温】<br />
赤子ほのほの乳をあそぶ<br />
錆びた手すりにふたり<br />
遅れてきた訃報にいる<br />
冬椿めくりおとして終業す<br />
水面皆月夜<br />
<br />
【畠働猫】<br />
糸電話手繰れど手繰れど故郷は遠く<br />
在ることだけを許した許された<br />
君をあきらめた部屋の夢見る<br />
証書捨て一瀉千里に春来る<br />
ミシン目に沿って切り抜いて月光<br />
<br />
【武里圭一】<br />
酔う義務感じるコップ酒<br />
目をそむけていろ枯木<br />
いつかくる黒檀の日々<br />
頬凍らして歩道橋で煙草吸うなど<br />
はや昔日の先月を羨む<br />
<br />
【馬場古戸暢】<br />
冬の日射しに寝入る遅刻<br />
子の声三つ駆けて行く夕暮れ<br />
股引知らない子がヒートテックはいとる<br />
冬空あおく湯気の向こう<br />
失くしたもの思い出す夜が明ける<br />
<br />鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com20tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-33521699654054751432015-01-30T00:54:00.001+09:002015-01-30T00:54:39.100+09:00第三十回 研鑽句会<br />
<br />
◇最高得点句<br />
<br />
<span style="font-size: large;"><b>病いへずうつうつとして春くるゝ 放哉</b></span><br />
<br />
◇互選集計<br />
<br />
(4点) 病いへずうつうつとして春くるゝ ◎○○<br />
(2点) 旅僧の樹下に寝て居る清水哉 ◎<br />
(2点) 城郭の白壁残る若葉哉 ◎<br />
(1点) 教場に机ばかりや冬休暇 ○<br />
(1点) 新しき電信材や菜たね道 ○<br />
(1点) 鯉錦を下して居るやにはか雨 ○<br />
(1点) 門を入り門を入る日傘二つかな ○<br />
(1点) 洞窟に頭にたるゝ清水かな ○<br />
(1点) 石に踞して薬とり出す清水哉 ○<br />
(1点) 木の間より釣床見ゆる若葉かな ○<br />
(1点) 見ゆるかぎり皆若葉なり国境 ◎●<br />
(1点) 月代や廊下に若葉の影を印す ○<br />
(0点) 蚊帳釣って子に添乳する暑さかな<br />
(0点) 水打て静な家や夏やなぎ<br />
(0点) よき人の机によりて昼ねかな ○●<br />
(0点) 古井戸や露に伏したる萩桔梗<br />
(0点) 刀師の刃ためすや朝寒み<br />
(0点) 露多き萩の小家や町はづれ<br />
(0点) 虫送り鎮守の太鼓叩きけり<br />
(0点) 湯所は白足袋穿いて按摩かな<br />
(0点) 寒菊やころばしてある臼の下<br />
(0点) 寒菊や鶏を呼ぶ畑のすみ<br />
(0点) 行春や母が遺愛の筑紫琴<br />
(0点) 行春の今道心を宿しけり<br />
(0点) 欄干に若葉のせまる二階かな<br />
(0点) 夕立のすぎて若葉の戦ぎ哉<br />
(0点) 石階の半ばは見へて若葉かな<br />
(0点) 山茶花の根もとに雪を掃きよせぬ<br />
(-1点) 穴蜂の巣や別荘の花の下 ●<br />
(-1点) 別亭に火をともしたる若葉かな ●<br />
<br />
◇作者発表<br />
<br />
尾崎放哉<br />
<br />
明治33年から34年にかけて発表された句。<br />
出典:尾崎放哉, 村上護ほか編『放哉全集I 句集』筑摩書房, 5-9.<br />
※19番の句のうち、二つ目の「うつ」については、上記出典では繰り返し記号が用いられている。しかしこれは横書き表記に対応したものではなかったため、上記のように表した。<br />
<br />kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com30tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-3104327781683081252015-01-30T00:52:00.001+09:002015-01-30T00:54:46.908+09:00第三十回 鍛錬句会◇最高得点句<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">鉄塔の重き夜空 温</span></b><br />
<br />
◇互選集計<br />
<br />
(5点) 鉄塔の重き夜空 ◎○○○<br />
(3点) 手にいっぱいの種をまく ◎○<br />
(3点) 雪降り積もりだれもいない夜が輝く ◎○<br />
(3点) 寂しい夜の水洟すする ○○○<br />
(2点) 小雨のふたりの近い深夜 ◎<br />
(2点) 雀一斉に陽へ隠れ ○○<br />
(1点) 平等に呪われながら愛を負う ○<br />
(1点) 真っ直ぐ蒲団を敷いて祈る ○<br />
(1点) 今日の寝床か脚をさらせば ○<br />
(1点) 鍵盤叩いてひとつずつ葬る ○<br />
(0点) 君の的外れ俺の的を射た<br />
<div>
(0点) 明け方の月が薄くて爪を噛んだ<br />
(0点) 二の足踏むや祖父はICUにいる<br />
(0点) この子どこの子抱き上げておく<br />
(0点) インポや妻に初夢見させる<br />
(0点) 水音かさなる秒針 ○●<br />
(0点) --・-・ ・-・-・ --・- ・-・-・ -・-・- ・・-・- --・-・ ・・・- ・-・・・ ・・- ・・-・・ ・・- ・--- ---- ・・-<br />
(0点) 雨のせいです笑うしかない<br />
(0点) 主治医の話きいていきおい煙草吸いに出た俺だった<br />
(0点) 夜しずか咎の無い者みな眠る<br />
(0点) ごみ袋あいて雀二羽<br />
(0点) ごみも落ち葉もこの棟の陰<br />
(0点) 裸木のレース透かして鈍空がくる<br />
(-1点) 避けられぬ苦しみぐらいあるさひつじ年 ●<br />
(-3点) 殺したい顔面拭えないので 一人暮らしはじめました ●●●<br />
<br />
◇作者発表<br />
<br />
【畠働猫】<br />
雪降り積もりだれもいない夜が輝く<br />
平等に呪われながら愛を負う<br />
夜しずか咎の無い者みな眠る<br />
--・-・ ・-・-・ --・- ・-・-・ -・-・- ・・-・- --・-・ ・・・- ・-・・・ ・・- ・・-・・ ・・- ・--- ---- ・・- <br />
避けられぬ苦しみぐらいあるさひつじ年<br />
<br />
【小澤温】<br />
手にいっぱいの種をまく<br />
雀一斉に陽へ隠れ<br />
鉄塔の重き夜空<br />
インポや妻に初夢見させる<br />
今日の寝床か脚をさらせば<br />
<br />
【武里圭一】<br />
殺したい顔面拭えないので 一人暮らしはじめました<br />
君の的外れ俺の的を射た<br />
寂しい夜の水洟すする<br />
二の足踏むや祖父はICUにいる<br />
主治医の話きいていきおい煙草吸いに出た俺だった<br />
<br />
【小笠原玉虫】<br />
真っ直ぐ蒲団を敷いて祈る<br />
裸木のレース透かして鈍空がくる<br />
明け方の月が薄くて爪を噛んだ<br />
鍵盤叩いてひとつずつ葬る<br />
雨のせいです笑うしかない<br />
<br />
【馬場古戸暢】<br />
水音かさなる秒針<br />
ごみも落ち葉もこの棟の陰<br />
ごみ袋あいて雀二羽<br />
小雨のふたりの近い深夜<br />
この子どこの子抱き上げておく<br />
<br /></div>
kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com25tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-71426269553964693142015-01-05T00:16:00.001+09:002015-01-05T00:20:10.908+09:00新年詠2015あけましておめでとうございます。<br />
今年も鉄塊をご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。<br />
<br />
以下、鉄塊衆による新年詠2015をもちまして、年始の挨拶に代えさせていただきます。<br />
<div>
<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-0xadgaM63sg/VKlZNPO3IFI/AAAAAAAAACE/b5M-MY8BH0M/s1600/shinnenei2015.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-0xadgaM63sg/VKlZNPO3IFI/AAAAAAAAACE/b5M-MY8BH0M/s1600/shinnenei2015.png" height="320" width="166" /></a></div>
<div>
<br /></div>
kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-11582531962195046842014-12-31T03:17:00.001+09:002014-12-31T03:17:16.172+09:00鉄塊第七回VT句会選句選評結果<br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;">▽最高得点句</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;"><strong></strong></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;"><strong>剥製の硝子の眼玉冬きたる (12点)【小笠原玉虫】</strong></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;">▽部門ごと上位句</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"> </span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">【自由律俳句】(3句)</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">受け継がぬ家を掃き清めている ( 8点)【このはる紗耶】<br />夕日揺らして焼芋屋来る ( 7点)【タケウマ】<br />葱太ければそれでよゐ ( 6点)【さゆり】</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">【定型俳句】(5句)</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">剥製の硝子の眼玉冬きたる (12点)【小笠原玉虫】<br />街灯をにじませて居りどぶの湯気 ( 5点)【前田_獺太郎】<br />トランプに白紙のカード冬薔薇 ( 4点)【鈴木桃宙】<br />禿頭にのせる乳房や冬の月 ( 4点)【タケウマ】<br />嫌はれて捨てられてまだ葱でゐる ( 4点)【さゆり】</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">【題詠句(兼題「宴」)】(3句)</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">祝宴の廊下の闇を冬といふ ( 8点)【菜月】<br />ゆうべのビールあおって宴のあと ( 3点)【前田_獺太郎】<br />宴果てもう会わぬ背が白い ( 3点)【畠働猫】</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">【コンプリート句】(◎と○と●のすべてを獲得した句)(0句)</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">該当句無し</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;">▽個人別合計上位者</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">菜月 (13点)<br />小笠原玉虫 (13点)<br />さゆり (12点)<br />タケウマ (12点)<br />鈴木桃宙 (11点)<br />前田_獺太郎 (10点)<br />このはる紗耶 (10点)</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"> </span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;">▽互選集計結果</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">剥製の硝子の眼玉冬きたる (12点)◎○○○○○○○○○○△△<br />受け継がぬ家を掃き清めている ( 8点)◎○○○○○○△△<br />祝宴の廊下の闇を冬といふ ( 8点)◎○○○○○○△△△<br />夕日揺らして焼芋屋来る ( 7点)◎◎○○○△△<br />葱太ければそれでよゐ ( 6点)◎○○○○△△<br />男を生むいつか私も姑になる ( 5点)◎○○○△△△<br />本を開けば呼ばれる ( 5点)○○○○○△△△<br />遅れてきた男が傘を持っている ( 5点)○○○○○△△<br />街灯をにじませて居りどぶの湯気 ( 5点)◎○○○△△△<br />満ちて星々は裸だ ( 4点)○○○○△△△△<br />トランプに白紙のカード冬薔薇 ( 4点)◎○○△<br />禿頭にのせる乳房や冬の月 ( 4点)○○○○○●<br />嫌はれて捨てられてまだ葱でゐる ( 4点)◎◎△△<br />死に場所も選べないポインセチアが真つ赤 ( 3点)◎○△△△△△<br />「一口いる?」のスプーンが性の目覚め ( 3点)○○○△△△<br />猫行く道を落葉行く ( 3点)◎○△<br />透明な花の散る音星月夜 ( 3点)○○○△△<br />手袋のグーチョキパーのもどかしさ ( 3点)◎○△△<br />ゆうべのビールあおって宴のあと ( 3点)○○○△△<br />宴果てもう会わぬ背が白い ( 3点)○○○△△<br />次の事故を右に曲がる ( 2点)○○△△<br />病気切り取ってくれた君ごと捨てる ( 2点)◎△△△<br />あばかれて空は午後五時のサイレン ( 2点)○○△△<br />ああやはりそういうさだめなのですね ( 2点)○○△△△△<br />冬の星優しき人でありなさい ( 2点)◎△△<br />君の中でふやけし指や狂い花 ( 2点)○○△<br />ここに愛がある冬日に入る素足 ( 2点)○○△△<br />マリッジブルーの最中や兎抱く ( 2点)◎△△△△△<br />カンテラに心臓といふ火や冬至 ( 2点)○○△△△<br />アルパカも牛も反芻ばかりしている宴だ ( 2点)◎△△<br />さかる宴の二人無口な ( 2点)○○△△<br />訓読みは切なさのあり宴かな ( 2点)◎△△<br />空っ風が責める裏切り者でいる ( 1点)○○●△△△<br />グラスからこぼれ落ちたる冬の夜 ( 1点)○△<br />柚子の湯やカピバラたちの菩薩めき ( 1点)○△△△<br />咳をしてあしたへ歩く草鞋編む ( 1点)○△△△<br />冴ゆる夜の宴に顔のない男 ( 1点)○△△<br />となりの宴だれか叱られている ( 1点)○△△△<br />ふりおつる宇宙透視図 雪の宴 ( 1点)◎●△△<br />霜柱踏み踏み宴より帰る ( 1点)○△△△<br />雪見風呂宴はカラオケの時間 ( 1点)○△△<br />寂しさうな人から宴に酔ひにけり ( 1点)○△△<br />文庫本深夜古書店血の指紋 ( 0点)○○●●△△△△<br />へこんだら倒れたままだ缶ビール ( 0点)○●△△<br />酒呑んで話したいひとり秋の宵 (-1点)●△△<br />菊の宴オール下ネタ一本勝ち (-1点)●△△<br />夭折や詩人の書斎知の宴 (-1点)●△△<br />笑顔あふれる鬱病のひとでした (-2点)○●●●△△<br />元カノに似た店員のいる喫茶店にてカフェラテを注文す(-3点)◎●●●●●△<br />भोज॥आप मौत की दुल्हन खाने के लिए नहीं करना चाहता था (-3点)○●●●●△△△△△△△<br />イルミネーションの光が入る部屋からツイート ( 無点)△△△△<br />狩ののち宴よ食えよ飲めよ酔えよ ( 無点)△△<br />精一杯の恨み込めてか骨の白い ( 無点)△△△△△<br />冬の昼日中現実味のない光だ ( 無点)△△<br />眼覚めて終ひの棲家の寒夜かな ( 無点)△△△<br />夕闇も時雨れて晴れてサドル拭く ( 無点)△△△<br />見上ぐればその名よ吐息ふゆ銀河 ( 無点)△△△<br />村の宴義兄にストング剥がされる ( 無点)△△△<br />傘の中雨の宴も佳境なり ( 無点)△△<br />どこかの宴会の声にキライを混ぜる ( 無点)△△<br />終わらぬ宴の暁の夢 ( 無点)△△<br />寂寥抱えて宴の散会 ( 無点)△△<br />バッカスの好くも厭うも宴かな ( 無点)△△</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"> </span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"> </span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">(以上、63句)<br />※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;">▽作者発表(投句順)</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">上から次の順に掲載</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">「自由律俳句」</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">「定型俳句」</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">「題詠句(兼題「宴」)」</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【馬場古戸暢】</strong></span><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong><br /></strong>猫行く道を落葉行く<br />夕闇も時雨れて晴れてサドル拭く<br />終わらぬ宴の暁の夢</span><br />
<strong></strong><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"> </span><br />
<span style="font-family: Arial;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【さゆり】</strong></span><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong><br /></strong>葱太ければそれでよゐ<br />嫌はれて捨てられてまだ葱でゐる<br />訓読みは切なさのあり宴かな</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【畠働猫】</strong><br />次の事故を右に曲がる<br />ここに愛がある冬日に入る素足<br />宴果てもう会わぬ背が白い</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【前田_獺太郎】</strong><br />あばかれて空は午後五時のサイレン<br />街灯をにじませて居りどぶの湯気<br />ゆうべのビールあおって宴のあと</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【北大路京介】</strong><br />病気切り取ってくれた君ごと捨てる<br />咳をしてあしたへ歩く草鞋編む<br />菊の宴オール下ネタ一本勝ち</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【千花】</strong><br />本を開けば呼ばれる<br />透明な花の散る音星月夜<br />傘の中雨の宴も佳境なり</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【このはる紗耶】</strong><br />受け継がぬ家を掃き清めている<br />柚子の湯やカピバラたちの菩薩めき<br />雪見風呂宴はカラオケの時間</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【Keiten666】</strong><br />「一口いる?」のスプーンが性の目覚め<br />君の中でふやけし指や狂い花<br />村の宴義兄にストング剥がされる</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【えーき】</strong><br />元カノに似た店員のいる喫茶店にてカフェラテを注文す<br />カンテラに心臓といふ火や冬至<br />寂しさうな人から宴に酔ひにけり</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【琳譜】</strong><br />精一杯の恨み込めてか骨の白い<br />見上ぐればその名よ吐息ふゆ銀河<br />ふりおつる宇宙透視図 雪の宴</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【菜月】</strong><br />死に場所も選べないポインセチアが真つ赤<br />マリッジブルーの最中や兎抱く<br />祝宴の廊下の闇を冬といふ</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【鈴木桃宙】</strong><br />男を生むいつか私も姑になる<br />トランプに白紙のカード冬薔薇<br />アルパカも牛も反芻ばかりしている宴だ</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【笛地静恵】</strong><br />ああやはりそういうさだめなのですね<br />文庫本深夜古書店血の指紋<br />夭折や詩人の書斎知の宴</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【小澤温】</strong><br />満ちて星々は裸だ<br />眼覚めて終ひの棲家の寒夜かな<br />भोज॥आप मौत की दुल्हन खाने के लिए नहीं करना चाहता था</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【寺田人】</strong><br />狩ののち宴よ食えよ飲めよ酔えよ<br />冬の星優しき人でありなさい<br />霜柱踏み踏み宴より帰る</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【武里圭一】</strong><br />冬の昼日中現実味のない光だ<br />酒呑んで話したいひとり秋の宵<br />寂寥抱えて宴の散会</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【風呂山洋三】</strong><br />笑顔あふれる鬱病のひとでした<br />グラスからこぼれ落ちたる冬の夜<br />さかる宴の二人無口な</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【木曜何某】</strong><br />イルミネーションの光が入る部屋からツイート<br />へこんだら倒れたままだ缶ビール<br />どこかの宴会の声にキライを混ぜる</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【タケウマ】</strong><br />夕日揺らして焼芋屋来る<br />禿頭にのせる乳房や冬の月<br />冴ゆる夜の宴に顔のない男</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【吉村一音】</strong><br />遅れてきた男が傘を持っている<br />手袋のグーチョキパーのもどかしさ<br />となりの宴だれか叱られている</span><br />
<br />
<br /><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"><strong>【小笠原玉虫】</strong><br />空っ風が責める裏切り者でいる<br />剥製の硝子の眼玉冬きたる<br />バッカスの好くも厭うも宴かな</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">以上21名</span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;"></span><br />
<span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: large;">▽以下、コメント欄に参加者選評を掲載する。</span>鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com64tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-5212409598782737982014-12-23T09:13:00.000+09:002014-12-23T09:30:30.834+09:002014年を振り返る<br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<b><span style="font-size: large;">武里圭一</span><br /><br />【自選句】</b><br />
<br />
飛び込めば死ねるトラックが走る<br />
凶悪な憂鬱でバットだけは吸うていた<br />
雨、滴匂い立つ窓が濡れている<br />
かなしみは見えるところにおいておく<br />
訣別したい街の杭<br />
<br />
<b>【他選句】</b><br />
<br />
海が薫る橋で泣く 古戸暢<br />
咳、訃報、咳 働猫<br />
乱世 それはそれとして眠たいわたし 久光良一(新懇)<br />
透析生活 旅広告の旅いつもしている 松養榮貞(新懇)<br />
図書館の老いの咳 気がかりに 山浦達朗(新懇)<br />
<br />
<b>※総評</b><br />
<br />
自選は句作帳など何も見なくとも頭で覚えているものを。「飛び込めば死ねるトラックが走る」、この句を詠んだ直後、車に轢かれたらしい鼬の死骸を見たせいか、最も印象に残っています。<br />
他選の上二句は句会報を拝見した際記憶に残ったものから。下三句は新懇より。「咳、訃報、咳」、働猫さんのこの句は、できれば訃報を聞かなかったことにしてしまいたい、死を認めたくはない、咳でもって誤魔化してしまいたい、そういう気持が読み取れるように思います。古戸暢さんの「海が薫る橋で泣く」、私も海に泣くとでもいう感じはいつもあって、大いに共感できる感覚です。<br />
今年はプライベートも含めて今までになく変化の多い年でした。まだまだ句歴といえど二年ポッチの私です、駄句でお目汚しすることも多いと思いますが、今後とも宜しくお願い致します。<br />
<br />
―――<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">畠働猫</span><br /><br />【自句5句】</b><br />
桜咲くかしら痩せた手をとる(働猫)<br />
さよなら揺れてカンパニュラ夜香る(働猫)<br />
迷いは薄墨色の夜に溶く(働猫)<br />
胸にくちづけて秋茜(働猫)<br />
石仏に祈りに戻る(働猫)<br />
<br />
<b>【他句9句(鉄塊5句・ゲスト4句)】</b><br />
<br />
かわるがわる地球儀を抱くあにおとうと(藤井雪兎)<br />
冬の檸檬を齧って香気の結晶をみた(小笠原玉虫)<br />
あの猫さっきもおったでおっちゃん(十月水名)<br />
拾いに来ないボールのあって夏の昼(風呂山洋三)<br />
海が薫る橋で泣く(馬場古戸暢)<br />
<br />
<鍛錬句会招待者><br />
電気消す派のきみの骨白かった(りんこ)<br />
会えなくなる人の目玉かわいている(うぐいす)<br />
火事じゃない火の燃え盛る(ロケッ子)<br />
<br />
<VT句会><br />
もうあなたの声聞こえない夜へ風花(タケウマ)<br />
<br />
<b>【選評において印象的であったこと】</b><br />
<br />
・第五回VT句会における偶然のコラボレーション<br />
***************************<br />
<br />
愛人にするなら誰だ童貞ども(ゆなな子)<br />
<br />
△きゃりーぱみゅぱみゅでお願いします。(タケウマ)<br />
△木村多江でお願いします。(働猫)<br />
<br />
***************************<br />
<br />
<b>※総評</b><br />
<br />
<b>【自句5句】</b><br />
<br />
<div>
自句に関しては、今年はこれといった収穫がなかったように思う。今年の句としてぱっと思い浮かぶものが無かった。<br />
句歴も2年が経過し、自己の内奥にある井戸が枯渇したのかもしれない。そこに充満していた「詠むべき素材」をもう汲み尽してしまった感がある。それはそれで次のステージへ進む時期ということだろう。また、今年は雲庵(錆助)編集の『蘭鋳』に50句を載せていただいた。そちらには今年4月までに作句したものから自選したため、今回の企画では、それ以降の鍛錬句会へ投句した句から選んだ。月毎に出来不出来が鮮明であり、今回選んだ句も特定の月から集中して抜き出すことになった。<br />
<br />
<b>【他句9句(鉄塊5句・ゲスト4句)】</b><br />
<br />
他句については、鍛錬句会およびVT句会において、特選に選んだもの、また強く印象に残った物から選んだ。また、そうして選んだものの中には、鍛錬句会招待者・VT句会参加者の句も多く見られたため、今回それらの句も選ばせていただいた。<br />
<br />
<b>【選評において印象的であったこと】 </b><br />
<br />
次に、今年一年を振り返るに当たって、選評においても印象的だった件を挙げておく。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
タケウマさんはご招待させていただいた鍛錬句会においてもVT句会においても、これまで全句評をしてくださっている。自分も「読む」機会として鉄塊の句会では全句評を心掛けているため、自然、タケウマ評と自分の読みを比較することになる。そうして見ると、選にとるかとらないかは異なるものの、評の内容については共通した部分が多く、勝手ながらシンパシーを感じてしまう。上記に挙げたのはその顕著な例である。VTでは編集作業もしているため、投句・選評ともに自分の分を終わらせてから他者のものを見る。したがって上記の例は全くの偶然である。この奇跡がもしかすると皆さんには伝わっていないかと思い、今回取り上げさせていただいた。<br />
<br />
最後に他句9句についての選評を再掲させていただく。<br />
<br />
まとまりのない文章となってしまったが、それも師走らしかろうかと思い、推敲を省く。<br />
<b><br />▽かわるがわる地球儀を抱くあにおとうと(藤井雪兎)</b></div>
<div>
<b><br /></b> 幼い兄弟のほほえましい姿を思い描いた。地球儀を取り合う理由が、久しぶりに帰ってきた父のみやげだからか、それとも世界征服を宿命づけられた兄弟だからか。地球儀を句材にもってきたのがとてもよかった。(働猫)<br />
<br />
<b>▽冬の檸檬を齧って香気の結晶をみた(小笠原玉虫)</b><br />
<br />
これは美しい句だ。五感のすべてを刺激する。「冬」が寒さを感じる触覚、「齧って」が音と味を連想させて聴覚と味覚、「香気」が嗅覚、「みた」が視覚。おそらくは意識的に盛り込んだのであろう。句そのものはもっと整理ができそうであるが、上記のように五感を詠み込むことを目的としたのだと考えれば、これ以上削ることはできなかったのであろうと理解できる。だが、ここまで丁寧に描写しなくとも良かったかもしれない。推敲の余地はまだありそうだ。それにしてもこの一瞬の情景をよく切り取ったものである。(働猫)<br />
<br />
<b>▽あの猫さっきもおったでおっちゃん(十月水名)</b><br />
<br />
「あ(a)の猫さ(sa)っきもお(o)ったでお(o)っちゃん」偶然であるが、韻の踏み方が自句の「た(ta)どりついた羽(ha)蟻を看(mi)取るリ(li)ノリウム」と同じであったので、すぐに意識的な配置と判断できた。内容もほのぼのした情景が想像できてとてもいい。通りに面した床几に座っているのだろうか。それとも公園のベンチか。猫好きなおっちゃんとそれほど猫好きでもない作者との心の交流が微笑ましく描かれている。(働猫)<br />
<br />
<b>▽拾いに来ないボールのあって夏の昼(風呂山洋三)</b><br />
<br />
ぽつり、という音が聞こえそうなよい景だと思います。ただ、変なことも思い出しちゃったな。公園のベンチに座っている。そこにボールが転がってくる。でも子供たちは自分には近づきたくないらしく、拾いに来ようとせずに遠巻きに見守っている。田舎の小学生だったころ、そうやって避けるべき相手として認識していた人物が複数いた。「えぼっちゃん」と「体操じいさん」だ。今思えば、なんらかの障害を持った人とただの老人だったのだが。無知な子供であり、異質な存在は恐怖の対象だった。田舎特有の差別の強さで、大人たちも近づくなと教えていた。自分が無知であったことを振り返るのは本当に嫌なものだ。(働猫)<br />
<br />
<b>▽海が薫る橋で泣く(馬場古戸暢)</b><br />
「海が薫る橋」でもうすばらしく美しい。こうした情景は想像では描けない。そしてそこでは何をしても絵になるだろう。「泣く」。泣いてしまうのである。涙や悲しみはやがて海へと流れてゆくだろう。美人であってほしい。いや、この景は美人でしか成り立たないものだ。(働猫)<br />
<b><br />▽電気消す派のきみの骨白かった(りんこ)</b><br />
<br />
「電気消す派」という表現はなかなか色っぽい。性癖はさまざまであるが、「電気消す派」と「電気点けたまま派」とで明確に二分することができる。「消す派」は、視覚を制限することによってより興奮するというタイプの場合もあるだろうが、やはり一般的には羞恥心の表れと考えるべきであろう。そんな羞恥心の持ち主だった人が、今はその骨の白さまで露わにされてしまっている。そのことが故人への憐憫として表れ、さらにはかつての触れ合いや言葉なども想起させるのだろう。物語が凝縮された句である。自分は相手に合わせる派です。どのみち眼鏡はずしたら線しか見えないのでね。(働猫)<br />
<b><br />▽会えなくなる人の目玉かわいている(うぐいす)</b><br />
<br />
眼を見開いたままの死者というのは非常に凄惨な光景である。今まさに恋人の命を奪い、茫然としている情景を思い浮かべた。凄惨ではあるがそうした情景には愛と美しさをも感じてしまうのだ。(働猫)<br />
<br />
<b>▽火事じゃない火の燃え盛る(ロケッ子)</b><br />
「火事じゃない」と非常を常とする視点がおもしろい。大きな災害で痛みを受けた人の句であろうか。火は恐ろしいものであるが、それを用いずに我々の生活はもはや成り立たない。原子力をはじめとした科学技術全般にも言えることであるが、こうした視点の背景には、詠者の経験や思想が表れるものだ。そしてそれこそが自由律俳句の特徴と言えるのではないだろうか。(働猫)<br />
<br />
<b>▽もうあなたの声聞こえない夜へ風花(タケウマ)</b><br />
<br />
特選。今回の句群(※該当句会は第五回VT句会78句)の中で最も美しい愛の句である。失われたのは当然、声だけではない。風花の冷たい美しさには同時に儚く失われるものを想起させられる。顔を覆い、夜のように黒く長い髪を震わせ、静かに泣く美しい女性を思い浮かべた。(働猫)<br />
<br />
―――<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">風呂山洋三</span><br /><br />【自選五句】</b><br />
<br />
夜の疲れた影と出掛ける<br />
拾いに来ないボールのあって夏の昼<br />
壁と話す人のいる夜が明けた<br />
隣から悲鳴のあって夏めく夜だ<br />
春めく道で拾ったナイフだ<br />
<br />
<b>【鉄塊五句】</b><br />
<br />
ちょうどよい月のないすきま 水名<br />
子猫いなくなった家のチャイム鳴る 古戸暢<br />
咳、訃報、咳 働猫<br />
それぞれの傘でまっすぐな道 ロケッ子<br />
母娘さざめく風呂場の下を通る 玉虫<br />
<br />
<b>※総評</b><br />
印象鮮烈をテーマに今年一年、句作を続けて来ました。これは選にも言えることができます。来年も引き続き印象鮮烈にこだわり精進して参りたいと思います。<br />
<br />
―――<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">小笠原玉虫</span><br /></b><br />
<b>【自選五句】</b><br />
<br />
にじんだ月に泣いてやらない<br />
母娘さざめく風呂場の下を通る<br />
かなしい辛いものを食べる<br />
お前のいい匂いの秘密に触れて春待<br />
どこまでもよそんちが続くつるばらつるばら<br />
<br />
<b>【他選五句】</b></div>
<div>
<br />
春めく道で拾ったナイフだ 風呂山洋三<br />
お前の名前で乾いた唇切れた 風呂山洋三<br />
バス間違えてマッコウクジラが見える 十月水名<br />
マグカップ恥ずかしいほど割れて目の前に落ちる りんこ<br />
約束は昨日だったビビデバビデブウ うぐいす<br />
<br />
<b>※総評</b><br />
<br />
今年の鉄塊鍛錬句会は招待制度が始まり、多彩な参加者さまに恵まれましたね。<br />
りんこさん、うぐいすさんと、女性の参加が多かったのがとても嬉しかったです。<br />
鉄塊衆のなかでは洋三さんが冴えていらっしゃいました。<br />
「春めく道で拾ったナイフだ」は中でも非常に優れた句と思います。今年いちばん印象に残っています。<br />
十月さまのマッコウクジラも忘れ難い句。雄大でファンタジック、神話のような趣があると思いました。<br />
わたくし自身は、家族に病気の者が多く、つらい一年となりました。<br />
常に上の空で過ごしているような感じで、春~夏は特にその傾向が強かったように思います。<br />
句の出来もいまいちでした。<br />
が、いまいちなりに自分では気に入っているものを自選いたしました。<br />
「どこまでも~」は海紅に投句したものになります。つるばらつるばらの反復部分が自分ではお気に入りです。<br />
<br />
―――<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">馬場古戸暢</span></b><br />
<br />
<b>【自選句】</b><br />
<br />
真昼の月あり発泡酒のみきれぬ<br />
子猫いなくなった家のチャイム鳴る<br />
人が燃えたと話す女と新宿におる<br />
薬効いてくる部屋に水滴の音<br />
笑顔の頬へ日射しやわらかい<br />
<br />
<b>【他選句】</b><br />
<br />
桜咲くかしら痩せた手をとる 働猫<br />
隣から悲鳴のあって夏めく夜だ 洋三</div>
<div>
約束は昨日だったビビデバビデブウ うぐいす<br />
ふたり汚した雨強くなる 働猫<br />
拾いに来ないボールのあって夏の昼 洋三<br />
<br />
<b>※総評</b><br />
自選句と他選句ともに、鉄塊鍛錬句会投稿句のうち記憶に残っていたものより。<br />
<br />
<br />
皆さま、よいお年を。<br />
<br />
<br />
<br /></div>
kotohttp://www.blogger.com/profile/15856009627490585079noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-14184312312487427232014-12-04T22:52:00.000+09:002014-12-04T22:52:20.512+09:00第二十九回 研鑽句会<span style="font-size: large;">◇最高得点</span><br />
<span style="font-size: x-large;">なにもかも月もひん曲がってけつかる 一石路</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">◇コンプリート句</span><br />
<span style="font-size: x-large;">場末で夕日となってころがっていた 一石路</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">◇互選集計</span><br />
<span style="font-size: large;">(4点) なにもかも月もひん曲がってけつかる ◎◎△</span><br />
<span style="font-size: large;">(3点) 場末で夕日となってころがっていた ◎○○● (コンプリート句)</span><br />
<span style="font-size: large;">(3点) 二階から足がおりてくる寒い顔になる ◎○△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(2点) 寒夜わが酔えば生るる金の虹 ◎△</span><br />
<span style="font-size: large;">(2点) シャツ雑草にぶっかけておく ○○△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(2点) ガード下から春があかるすぎる靴みがき ○○△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) 仕事失うている梅雨の二階をおりる ○△△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) たたかいはおわりぬしんと夏の山 ○△△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) 星空の下の人の世のここに泣く男 ○△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) ガード下の寒いビラばかりの中のそのビラ ○△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) ロシア映画みてきて冬のにんじん太し ○△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) 夜雪よごれ孤児ほおたいを巻きかえす ○</span><br />
<span style="font-size: large;">(0点) ジャズ現つ紙屑を燃す霜の上 ○●△</span><br />
<span style="font-size: large;">(-1点) 故郷を出て十年こんなにも空が青い蜻蛉がふかい ●△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(-1点) 「人生は花ですよ奥さん」と花屋売りにくる ○●●△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 人間が爆発しそうな出勤電車でちらとさくら △△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 雨の冬帽置くその人をかこむ夜なり △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) クレーン仰ぐみな年つまる男たち △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) せめて漬菜にふる塩を買いにでてきた △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 夜勤明けの男陸橋越すとき汽笛 △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) ボンベより顔長い馬工区曇る △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) どしゃ降る夜の白バラたたかいの目を継ぐ △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 青年海猫へパン投ぐ雪がつどうデッキ △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 雪を見る頭上鉄橋の太き鋲 △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) これだけの銭で一と月はたらいて落葉した △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 孤児たちに映画来る日や燕の天 △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 妻病むや夜寒の子らと塩買いに △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) ここ草原から都会の憂鬱が見えている気球 △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 朝寒ドックに太い錨鎖がくっきり白 △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) ネオンと俺との空間が鳴り十二月 △</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">以上、30句。</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点、コメントのみ(△)無点として集計。</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">◇作者発表</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">【栗林一石路】</span><br />
<span style="font-size: large;">星空の下の人の世のここに泣く男</span><br />
<span style="font-size: large;">二階から足がおりてくる寒い顔になる</span><br />
<span style="font-size: large;">シャツ雑草にぶっかけておく</span><br />
<span style="font-size: large;">場末で夕日となってころがっていた</span><br />
<span style="font-size: large;">仕事失うている梅雨の二階をおりる</span><br />
<span style="font-size: large;">なにもかも月もひん曲がってけつかる</span><br />
<span style="font-size: large;">これだけの銭で一と月はたらいて落葉した</span><br />
<span style="font-size: large;">ガード下の寒いビラばかりの中のそのビラ</span><br />
<span style="font-size: large;">せめて漬菜にふる塩を買いにでてきた</span><br />
<span style="font-size: large;">故郷を出て十年こんなにも空が青い蜻蛉がふかい</span><br />
<span style="font-size: large;">ここ草原から都会の憂鬱が見えている気球</span><br />
<span style="font-size: large;">たたかいはおわりぬしんと夏の山</span><br />
<span style="font-size: large;">人間が爆発しそうな出勤電車でちらとさくら</span><br />
<span style="font-size: large;"> 「人生は花ですよ奥さん」と花屋売りにくる</span><br />
<span style="font-size: large;">花屋の卑しい笑いが目に浮かぶようだ。</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">【古沢太穂】</span><br />
<span style="font-size: large;">ジャズ現つ紙屑を燃す霜の上</span><br />
<span style="font-size: large;">ロシア映画みてきて冬のにんじん太し</span><br />
<span style="font-size: large;">雨の冬帽置くその人をかこむ夜なり</span><br />
<span style="font-size: large;">雪を見る頭上鉄橋の太き鋲</span><br />
<span style="font-size: large;">夜雪よごれ孤児ほおたいを巻きかえす</span><br />
<span style="font-size: large;">寒夜わが酔えば生るる金の虹</span><br />
<span style="font-size: large;">孤児たちに映画来る日や燕の天</span><br />
<span style="font-size: large;">クレーン仰ぐみな年つまる男たち</span><br />
<span style="font-size: large;">妻病むや夜寒の子らと塩買いに</span><br />
<span style="font-size: large;">夜勤明けの男陸橋越すとき汽笛</span><br />
<span style="font-size: large;">朝寒ドックに太い錨鎖がくっきり白</span><br />
<span style="font-size: large;">ボンベより顔長い馬工区曇る</span><br />
<span style="font-size: large;">どしゃ降る夜の白バラたたかいの目を継ぐ</span><br />
<span style="font-size: large;">青年海猫へパン投ぐ雪がつどうデッキ</span><br />
<span style="font-size: large;">ガード下から春があかるすぎる靴みがき</span><br />
<span style="font-size: large;">ネオンと俺との空間が鳴り十二月</span><br />
<div>
<br /></div>
フロヤマヨウゾウhttp://www.blogger.com/profile/02021944582916129432noreply@blogger.com30tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-13763034573759109352014-12-04T22:34:00.002+09:002014-12-04T22:34:41.837+09:00第二十九回 鍛錬句会<span style="font-size: large;">最高得点</span><br />
<span style="font-size: x-large;">石仏に祈りに戻る 働猫 (4点)</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">(4点) 石仏に祈りに戻る ◎○○</span><br />
<span style="font-size: large;">(3点) 悔いあって朝風呂の熱い ◎○△ </span><br />
<span style="font-size: large;">(3点) 不在のきみの寝巻きを拾う ◎○ </span><br />
<span style="font-size: large;">(3点) 帰る身に大き過ぎる月 ◎○</span><br />
<span style="font-size: large;">(3点) 蠅を逃がす寒空 ○○○</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) 夕闇ドウダンの赤を授かる ◎●△△ </span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) 月の鋭角ふれた耳が冷えている ○○●</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) 息切らすバッティングセンターあいつを許そう ○△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) にじんだ月に泣いてやらない ○△</span><br />
<span style="font-size: large;">(1点) ぼくに来なかったヒーローとして生きる ○</span><br />
<span style="font-size: large;">(0点) 枯れ葉蹴散らすお人好しです ○●△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(0点) 弱った父がさみしい野分 ○●△</span><br />
<span style="font-size: large;">(-1点)遠のく声に手を振る ●△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 禁煙パイポに歯型ついとる △△△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 空き缶踏んで我が居間 △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) こんなひとたくさんいるだろう夜長の窓の淵にいる △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) カツカツと夜の道もうすぐ冬が来る △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) カレンダーめくるガラスの嘴が立冬だ △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 貝殻が光る幸せに生きればいいのに △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 濡れた草原の空き缶を蹴ってしまう △△</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 私の知らない苦しみもある白い墓 △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) ゴキブリと出会う野外の十一月二日 △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) リコリスどもの枯れて突っ立つ △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 波立つ川面に秋風我が影 △</span><br />
<span style="font-size: large;">(無点) 血の気のないキーボードをたたく深秋 △</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">(以上、25句)</span><br />
<span style="font-size: large;">※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">◇作者発表</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">【馬場古戸暢】</span><br />
<span style="font-size: large;">空き缶踏んで我が居間</span><br />
<span style="font-size: large;">禁煙パイポに歯型ついとる</span><br />
<span style="font-size: large;">ゴキブリと出会う野外の十一月二日</span><br />
<span style="font-size: large;">遠のく声に手を振る</span><br />
<span style="font-size: large;">波立つ川面に秋風我が影</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">【畠 働猫】</span><br />
<span style="font-size: large;">石仏に祈りに戻る</span><br />
<span style="font-size: large;">私の知らない苦しみもある白い墓</span><br />
<span style="font-size: large;">貝殻が光る幸せに生きればいいのに</span><br />
<span style="font-size: large;">ぼくに来なかったヒーローとして生きる</span><br />
<span style="font-size: large;">帰る身に大き過ぎる月</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">【小笠原玉虫】</span><br />
<span style="font-size: large;">にじんだ月に泣いてやらない</span><br />
<span style="font-size: large;">悔いあって朝風呂の熱い</span><br />
<span style="font-size: large;">不在のきみの寝巻きを拾う</span><br />
<span style="font-size: large;">リコリスどもの枯れて突っ立つ</span><br />
<span style="font-size: large;">弱った父がさみしい野分</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">【風呂山洋三】</span><br />
<span style="font-size: large;">息切らすバッティングセンターあいつを許そう</span><br />
<span style="font-size: large;">カツカツと夜の道もうすぐ冬が来る</span><br />
<span style="font-size: large;">夕闇ドウダンの赤を授かる</span><br />
<span style="font-size: large;">枯れ葉蹴散らすお人好しです</span><br />
<span style="font-size: large;">蠅を逃がす寒空</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">【梶原由紀】(ゲスト)</span><br />
<span style="font-size: large;">月の鋭角ふれた耳が冷えている</span><br />
<span style="font-size: large;">こんなひとたくさんいるだろう夜長の窓の淵にいる</span><br />
<span style="font-size: large;">カレンダーめくるガラスの嘴が立冬だ</span><br />
<span style="font-size: large;">濡れた草原の空き缶を蹴ってしまう</span><br />
<span style="font-size: large;">血の気のないキーボードをたたく深秋</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;">◇ゲスト紹介</span><br />
<span style="font-size: large;">「海紅」最年少にして結社誌校正を手掛ける秘蔵っ子。</span><br />
<span style="font-size: large;">しかも自身が司会を務めた「自由律俳句フォーラム」では、自由詠の部二位という実力者でもある。</span>フロヤマヨウゾウhttp://www.blogger.com/profile/02021944582916129432noreply@blogger.com25tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-1183158171256671832014-11-25T22:12:00.000+09:002014-11-25T22:12:41.689+09:00「宴」~第七回 「鉄塊VT句会」開催のお知らせ<div>
<span style="font-size: large;">第七回鉄塊VT(バーリトゥード)句会 募集要項</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;">【投句締切】 12月12日(金)</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;">【選句表配信】 12月14日(日)</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;">【選句締切】 12月23日(火・祝)</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;">【発表およびブログ掲載】 12月31日(水)</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;">【投句方法】</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> 以下を課題として、合計三句をご投句下さいませ。</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> 1)自由律俳句 一句</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> 2)定型句 一句</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> 3)兼題【<span style="color: red;"><b>宴</b></span>】で一句(形式は自由律でも定型でも可)</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> ※句の中に必ず「<span style="color: red;"><b>宴</b></span>」を詠み込むかたちでお願い致します。</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;">【参加条件】</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> ①「<span style="color: red;"><b>選句選評まで行えること</b></span>」</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> ②「<span style="color: red;"><b>発表まで連絡が可能であること</b></span>」</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> ※以上、2点。くれぐれもお忘れなきよう宜しくお願い致します。</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;">【投句先メールアドレス】</span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> <a href="mailto:vt.haiku@gmail.com"><b>vt.haiku@gmail.com</b></a></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
<div>
<span style="font-size: large;"> ※<span style="color: red;">件名</span>を「<span style="color: red;">第七回鉄塊VT句会投句</span>」としてお送り下さいませ。</span><br />
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-size: large;"><br /></span></div>
玉虫http://www.blogger.com/profile/07893931940400507495noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6608357527148825115.post-38259110224462246232014-11-03T01:33:00.000+09:002014-11-03T01:33:26.269+09:00第二十八回 鍛練句会<br />
<span style="color: white; font-size: x-large;"><strong>(最高得点句)</strong></span><br />
<span style="color: white; font-size: x-large;"><strong></strong></span><br />
<span style="color: white; font-size: x-large;"><strong>海が薫る橋で泣く(4点)<br />【馬場古戸暢】</strong></span><br />
<span style="color: white; font-size: x-large;"><strong></strong></span><br />
<span style="color: white; font-size: x-large;"><strong>それぞれの傘でまっすぐな道 (4点)<br />【ロケッ子】</strong></span><br />
<br />
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<span style="font-size: large;">(4点)海が薫る橋で泣く◎◎<br />(4点)それぞれの傘でまっすぐな道◎○○△<br />(3点)ねじれて燃える秋の金魚だ◎○△<br />(2点)萩散ってそれでも笑っているしかない○○△<br />(2点)迷いは薄墨色の夜に溶く◎△<br />(2点)母娘さざめく風呂場の下を通る○○△<br />(2点)笑顔の頬へ陽射しやわらかい◎△<br />(1点)秋の夜へ花火鳴りよる○△△△<br />(1点)薬効いてくる部屋に水滴の音○△△△<br />(1点)火事じゃない火の燃え盛る○△<br />(1点)知らない子が返事する私の名前だ○△△<br />(1点)王様も俺も裸○<br />(1点)香水こぼれて時間○△<br />(1点)何も聞こえない闇にうなじの白い○<br />(1点)秋の満ちゆく俺でいる食卓○△△<br />(0点)君と同じ月に雨降る○●△<br />(0点)オカリナがオカリナを捨てたかたち○●△△<br />(0点)胸にくちづけて秋茜○●<br />(-1点)わらいころげなくてはならない校歌●△△<br />(-1点)たったひとはな残ったあさがお●△<br />(-1点)痛む手と手重ねてオリオン●△<br />(無点)お前の与太もさみしい満月△△<br />(無点)少年の秋キャッチボールを壁とする△△△<br />(無点)最後の喧嘩して自転車は速い△△<br />(無点)風の終わりに幻の犬△△△<br />(無点)黄ばんだ街路樹ぼくが咳をしている△<br />(無点)泣かず耐えたが犬は見ていた△△△<br />(無点)嵐の夜の信号を待つ足が冷たい△<br />(無点)こんなにも成つてゐるあけびの寂しさよ△△<br />(無点)金木犀にだれかいる△△△</span><br />
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(以上、30句)<br />※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。<br />
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<span style="font-size: large;">◆招待者紹介</span><br />
<span style="font-size: large;">【ロケッ子 氏】</span><br />
<span style="font-size: large;">ロケッ子氏は、私こと働猫が敬愛する表現者の一人である。<br />自由律俳句の句会「千本ノック」主催。<br />同句会は私が初めて参加した句会でもある。<br />また、以前Twitter上で「百縛百句」という企画を行った際には、<br />「有能な美人秘書」を自称し、ブログ運営ほか実務的な面をすべて担っていただいた。<br />その句には特有の(特異な)青春の匂いが漂う。<br />時に思春期の少女そのもののように、<br />時に過ぎた少女時代を愛でるように。</span><span style="font-size: large;"><br /> </span><br />
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<span style="font-size: large;">◆作者発表(投句順 招待者、編者除く)</span><br />
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<span style="font-size: large;">【馬場古戸暢】<br />秋の夜へ花火鳴りよる<br />薬効いてくる部屋に水滴の音<br />海が薫る橋で泣く<br />何も聞こえない闇にうなじの白い<br />笑顔の頬へ陽射しやわらかい</span><br />
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<span style="font-size: large;">【風呂山洋三】<br />少年の秋キャッチボールを壁とする<br />黄ばんだ街路樹ぼくが咳をしている<br />知らない子が返事する私の名前だ<br />嵐の夜の信号を待つ足が冷たい<br />秋の満ちゆく俺でいる食卓</span><br />
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<span style="font-size: large;">【小笠原玉虫】<br />お前の与太もさみしい満月<br />泣かず耐えたが犬は見ていた<br />たったひとはな残ったあさがお<br />母娘さざめく風呂場の下を通る<br />ねじれて燃える秋の金魚だ</span><br />
<span style="font-size: large;"><br />【十月水名】<br />わらいころげなくてはならない校歌<br />風の終わりに幻の犬<br />オカリナがオカリナを捨てたかたち<br />香水こぼれて時間<br />金木犀にだれかいる</span><br />
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<span style="font-size: large;">【ロケッ子】(招待)<br />萩散ってそれでも笑っているしかない<br />最後の喧嘩して自転車は速い<br />火事じゃない火の燃え盛る<br />それぞれの傘でまっすぐな道<br />こんなにも成つてゐるあけびの寂しさよ</span><br />
<span style="font-size: large;"><br />【畠働猫】(編者)<br />君と同じ月に雨降る<br />迷いは薄墨色の夜に溶く<br />王様も俺も裸<br />胸にくちづけて秋茜<br />痛む手と手重ねてオリオン</span><br />
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以上6名鉄塊http://www.blogger.com/profile/02156538665541836273noreply@blogger.com30